医療界の現状

いよいよ２０１７年が始まりましたね。世の中は、どのように変わっていくのでしょうか。混沌とした状態に入ったように思います。１月20日トランプ大統領が大統領に就任、アメリカ国内だけでなく、世界情勢がどう動くかが、これからの鍵になっていくでしょう。ＴＰＰの今後の動向により、日本の医療も変化があると思いますが、現状では医療費は破綻状態です。大学病院や大病院も90％以上が赤字と伝えられています。今のままの医療では困難であると誰しもわかっているのに、なぜ、予防医療が進まないのでしょうか？

保険に頼れないために予防医療が進むアメリカ

一つは、すべての国民をなんらかの医療保険に加入させる制度「国民皆保険」。日本では１９６１年に国民健康保険法が改正され、国民皆保険体制が確立されました。医療保険の加入者が保険料を出し合うことで、病気やけがの場合に安心して医療が受けられるようにする相互扶助の精神に基づくものです。日本では、この「国民皆保険」があるために、簡単にそして、安価に薬が患者の手元に届き、その薬を、副作用や飲み合わせの害もわからずに、安易に、そして、長期に服用します。そのため、薬に依存していることすら、患者自身がわからなくなっているのが現況であるといえます。

米国では医療費が高いため、自分で自分の体をケアするための医療が発展し、統合医療の分野が日本より進んできました。その結果、がん治療など、三大治療以外の治療をあえて選択する患者が増加。日本では、がん患者が増えているにもかかわらず、アメリカでは減少するという結果になっています。

サプリメントにしても、アメリカの医師はかなり厳選したものを使っています。しかし、日本ではサプリメントは医薬品ではなく雑貨とされているため、効能もあやふやな商品がちまたにあふれ、簡単に手に入り、その害も知らずに使用している方も大勢います。サプリメントはきちんとしたものを使用しないと害にもなり得ます。

「食」に関する知識が「予防」につながる

未病の段階で予防をしていけば、薬もあまり使用せずに、健康で長生きできるはずです。これからは、セルフケアができないと病気は防げません。そのためには、もっと「食育」が普及し、食べ物についての本当の知識が、広く知られるようになっていくことが、とても大切です。このことに、多くの方が早く気づくことが大事なのです。

コマーシャルに乗っていてはだめです。きちんとした正しい知識を入れるように努力をしないと、これからの日本は、人口減少に歯止めがきかなくなりかねないと懸念しています。かくいう私も、がんになって初めて知った知識が沢山あります。おかげでがんになって良かったと思えるようになりました。がんは気づきを与えてくれます。健康のときは感謝できなかったことや、本当に大切にしなければならないことなどに気づかせてくれるのです。

病気は潜在意識の深いところに関わっています。だから心や意識を変えることが、今後の医療には必須です。表面だけの医療は、もう終わりの時代に入りました。これからは内面から、心と体、両方のメンテナンスをすることが、本当の医療となってくるでしょう。医師やパラメディカル（医師以外の医療従事者）の方々の教育も必須です。そのための教育機関を作ることも、実は、私の目標の一つなのです。

私のクリニックは、そういう面で他の医院では真似のできない未来型の予防医療を取り入れていると自負しています。まだまだ改良点はありますが、日本の医療だけでなく、世界の医療を変えるきっかけを作れるよう精進したいと日々努力しています。

一人の意識が百人の意識となり、その意識の力で医療を変えていけたら本望です。すべての方に感謝の気持ちを送ります。ありがとうございます。