顔から伝わること
妊娠中の自分の顔を、知らない人のように感じたことはありますか?
むくんだり、太ったりして、自分の顔じゃないみたい、と感じることもあると思います。でも、ここで言っているのは、顔が変わったと指摘を受けたあとで、お産が始まるような話です。自分で気づかないうちに、からだの準備が整っていることがあります。
わたし自身が印象に残っているのは、できるだけ自然に産みたいと、マタニティヨガなどの安産活動のために通っていた助産院で、扉を開けて入った瞬間に、そこにいた友人と助産師さんに一瞬妙な間があったこと。出産1週間くらい前でしたが、わたしの顔が違ったんだそうです。なにがどういうふうに違ったのか、後で助産師さんに聞いてみると、「こういう言い方をすると悪いんだけど、ぼんやりした印象になるの」とおっしゃっていました。だから、お産が近い人は顔を見たらわかるんだそうです。出産するしばらく前から、子宮口が開いてくることもあるわけだから、ホルモンバランスが分娩本番に向けて変わっているのは間違いありません。眠気が増す人もいます。ぼんやりリラックスして、からだがお産に備えることはありそうです。
逆に、目つきがキツくなるなど、キリッとした言葉で指摘を受けた人の話も聞きます。印象としては、お産直前に言われたというエピソードが多いかな。分娩に向け、エネルギーを集中させているタイミングに、周囲の人が気づくのかもしれない。いずれにせよ、顔つきの変化の指摘を受けることは、「おしるし」のように、いつ始まるかわからないお産が近いという目安になるんじゃないかと思います。
もう一つ印象に残っているのが、産後まもない自分の顔を、鏡で見たときのことです。それは、キリッとした印象でした。疲れともまた違う、覚醒したあとの顔。他の機会に見たことのない、なにかが宿った顔だと感じました。もし分娩後にこのことを覚えてらしたら、自分の顔をご覧になってみてください。
さわることでくつろげるなら
ここからは、むくんだり、太ったりして、自分の顔じゃないみたいと感じることについて。妊娠中は血液の量も増えれば、体内の水分貯蔵量も増えます。大きくなった子宮にからだは圧迫され、むくみが起こりやすくなります。助産院の妊婦健診では毎回むくみがチェックされていましたが、病院の健診では、エコーなど別のチェックが優先され、わたしの場合はむくみは見られていませんでした。問題を感じるむくみの場合は、なんらかの対処を促されることになります。
ホルモンバランスの変化で、皮膚の感じが変わる人もいますし、妊娠中はシミ(妊娠性肝斑)ができがちです。一般的に妊娠性肝斑は、左右対称に現れるといわれています。
産後、髪が抜けやすくなるのと同様に、シミが増えることを気にする人は多いようです。わたしも産後にシミが増えましたが、助産師さんに「いずれ薄くなるから、あまり気にせず、さわらないほうがいい」と、アドバイスされたので、過剰に気にせず過ごせました。また、スイカのように妊娠線がでている人を見たこともありますが、結局、産後にお腹が元に戻るとあまり目立たなくなりました。もしなにか肌の悩みがあっても一時的なことが多いようですが、さわったり優しくケアしたりすることがリラックスになるなら、そうしてみるのもいいかもしれません。