今号はプレマの京都の実店舗「プレマルシェ・オーガニクス」の小泉由紀さんの物語。小泉さんの歩みを紐解くと、そこには人生の「不動の軸」が現れていました。彼女の深遠な人生の物語を、じっくりとお楽しみください。
—— 人生の転機を教えてください。
26歳のころに行ったインドの旅と、その2年後のセドナの旅です。20代前半から精神世界に縁があり、本を読んだりワークショップに参加したりしていました。
インドへの旅は本屋で偶然見つけた1冊の本がきっかけになりました。その本を友人に紹介したところ、インドツアーを主催してくれて、インドに行くことになったのです。特殊なコースでしたが、行きたいと思えばこんなにも簡単に叶うものなのだと驚きました。
—— 精神世界へ興味を持ち始めたきっかけはあったのですか?
幼少期から不思議な体験をすることが多かったからかもしれません。当時「あなたの知らない世界」というテレビ番組を祖母と一緒に見ていました。霊が出てくる怖い話もあれば、感動するような話もあって夢中になりました。あちらの世界もこちらとさほど変わらないのかなぁと子ども心に思っていました。
—— インドの旅で転機と感じるほどの衝撃を受けたのですね。
そうですね。観光では行かないような場所にも行くことができました。そこで貧富の差というのを初めて目の当たりにしました。軍の監視が厳しく銃を持った人が真横にいるという光景も目にして衝撃がありました。一方で、秘境の寺院を巡ることもでき、美しい景色や現地の人たちが日常的に祈る姿を見て、インドの人たちは自然に神とともに生きていることを感じました。また不思議と懐かしい感覚がありました。インドでは、日本がどれだけ豊かなのかを感じたと同時に、インドの人たちは貧しくても精神的に豊かであることを知り、自分の価値観が揺るがされました。
—— その旅が始まりで、セドナの旅に行かれたのですね。
はい。ビジョンクエストというアメリカの先住民の伝統的な儀式の一つに参加しました。それは成人になるための通過儀礼であり、四泊五日、ひとり山のなかで断食・断水し、ひたすら祈り、大自然と対話をします。孤独や恐怖と向き合うことで人生の目的や使命を知ることを目的とします。持って行けるのは寝袋とブルーシート、トイレットペーパー1個くらい。トイレ以外はその場所を動かず、聖なるパイプを持って祈り続けます。あらゆる感情や状態を味わい、人生を振り返りました。過酷でしたが、今でもその経験は、「人生の宝物」と言い切れる時間です。
—— すごい体験ですね。そこからなにを学ばれましたか。
ネイティブアメリカンの聖なる教えのひとつに「オール・マイ・リレーションズ」があります。儀式や挨拶のときに使うのですが、太陽、月、大地、空、動物、植物、鉱物など、すべてを親戚だと捉える教えです。例えば、孤独を感じていても、そこには虫がいて、地面の土もあって、太陽が昇っている。だからどれだけ一人になろうが「孤独にはなれない」。孤独は幻想だということを身をもって感じました。
もうひとつは、感謝です。なにも飲めず食べられずにいるなかで命を感じ、水に感謝しました。苦しみも喜びも、命があって人間であってこそ体験できることで、良いこと悪いこと両方あっても、やっぱり全部が感謝できることだと気付きました。(次号では日常生活の変化に迫ります)
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プレマルシェ・オーガニクス
京都三条会商店街内にある「びんちょうたんコム」の実店舗。自然食品など数百点が並ぶ。
インスタグラム
@premarche.organics

