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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

ママは脳から進化する

投稿日:

脳そのものが……

妊娠すると、眠くなりやすい、だるい、集中するのが難しい。そんな頭を使うのが難しい局面が、誰しもあると思います。

妊娠よりはるかに多くの回数を経験する生理の後半で、プロゲステロン(黄体ホルモン)が増えるグラフを目にしたことがありますよね? 私はその図を思い出し、生理後半の仕事しづらい感じが、妊娠するとずっと続くイメージでした。子宮の筋肉の収縮を抑えて妊娠を継続させるプロゲステロンは、基礎体温を高止まりもさせるので、ずっと微熱があることにもなります。微熱があるなら、だるさや、集中力の低下は、むしろ当然です。

妊婦さんをよく診る鍼灸&イトオテルミーの先生が、産前・産後のママは「ぼんやりしているから予約を忘れる」ものだとやさしく話してくださいました。私も忘れて反省していたときのことです。「物忘れが多くなった気がする」「うっかりミスが増えた」、産前・産後に、そう感じる機会は少なくないと思います。ぼんやりしているのに、仕事や産前・産後のいろんな準備で慌ただしく動かなければならないことも多く、バランスを取ることそのものがストレスです。ホルモンのせい(自分のせいではない)と考え、「うっかり」感が強い場合、反省はしても、自分を責めないように気をつけました。

そういう大変さはホルモンのせいばかりではなく、脳のせいでもあることが最近ではわかっています。「マミーブレイン」、日本語では「母性脳」と訳されることもある現象です。

妊娠期から出産直後にかけて、母親の脳の一部(特に記憶や社会認知、感情をつかさどる領域)の灰白質の容積がいったん減少し、その後に再構築されていくことが、M‌R‌Iによって観察されました。「減る」と聞くと不安になりますが、減少した分は、産後の女性が赤ちゃんに反応する脳領域にかなりの部分が向けられるそうです。つまり、赤ちゃんに注意を向けたり、表情や泣き声から気持ちを読み取ったりする力を高めるための、自然なリセットなのです。不要な神経ネットワークを整理し、「母になる脳」が、まさに体の中でつくられていく。より効率的に働けるようになるプロセスなんだそう。

「冴えない」でなく「冴えている」

こうした脳の可塑性を、できないことから見て「退化」に感じるのではなく、「進化」だとする見方が主流になっています。産後の女性の脳は、赤ちゃんにより敏感に反応するようになりますし、オキシトシン(愛情ホルモン)の分泌も増えて、育児へのモチベーションや共感力を高めるといわれます。「記憶力や集中力が落ちた」わけではなく、脳は別の回路を総動員して、命を守る方向へと全集中しています。

どれだけ寝不足でも赤ちゃんの小さな寝息や泣き声にすぐ気づけるのは、この脳の変化のおかげ。周囲の刺激に対して「過敏」になることもありますが、それは守るための敏感さです。妊娠前のことを忘れている。子どもが小さいときってなんであんなにがんばれたんだろう。母親同士でたまに出る話題なので、皆、なんらかの変化を感じていると思います。変化でなく進化だと考えたら、ちょっと誇らしいですよね。産後の体と同じように、脳もまた数年にわたり、育児のリズムに合わせて形を変えていきます。前号でパパも妊娠・出産で生理的に変化する話を書きました。お互い、「進化」についての意識を高め、「進化」を味方につけながら、日常を整えていけたらいいですね。

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