今号では、アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)長官に就任した弁護士のロバート・ケネディ・ジュニア氏が、おこなうと宣言したアメリカ人健康急落の原因調査項目のなかのワクチンについて著します。
民主党で公衆衛生に携わり、感染症撲滅のため子どもへのワクチン普及に尽力してきたケネディ一族であるロバート・ケネディ・ジュニア氏は、ワクチンの危険性を訴えるようになり、政権や世論、一族からも疎ましがられる反ワクチン活動家として知られるようになっていました。その彼が昨夏、自身の大統領選への出馬を中断し、共和党のトランプ政権に合流しました。
9歳のときに叔父のジョン・F・ケネディ大統領を、14歳で父のロバート・F・ケネディ大統領候補を暗殺により亡くした彼は、波瀾万丈の少年期・青年期を過ごしました。彼は自然と動物、人類に深い愛情を抱き、強い正義感と不屈の精神を持つ弁護士となり、29歳からは水質汚染を中心とした環境保護活動に没頭します。そして、空気や水や土壌に毒を垂れ流す化学企業、自治体の下水処理施設、埋立地ゴミ処分場、PCBをハドソン川に垂れ流していたゼネラル・エレクトリック社をはじめとした大企業や多くの自治体に対し訴訟を起こし勝訴してきました。
2000年以降は、抗生物質やホルモンを多量に含む糞尿を垂れ流す工場的集約畜産業による環境問題に着手、森林破壊に起因する土壌の水銀汚染の問題も取り扱い、さらに大気中の水銀汚染の原因となっていた38ヶ所の石炭火力発電所とセメント工場を告発します。水銀は鉛の1000倍の神経毒作用があり、神経障害や脳性麻痺、死産、痙攣などの原因となります。発症の誘因を追究し、ワクチンに含まれる水銀に行き着いた自閉症児の母親らが、2004年に彼に助けを求めて来たのです。
アメリカでは1980年代にDPT(ジフテリア、百日咳、破傷風の三種混合ワクチン)で、子どもたちが死亡する事件が起こりました。しかし、ワクチンを製造したファイザー社は、損害賠償を負うならワクチン事業から撤退すると議会に訴え、これを受けた形でワクチン健康被害法が立法化されます。この法律により製薬会社は、ワクチンによる健康被害に対し責任を負わなくて良いことになり、1989年からワクチンの製造ラッシュが始まります。
ワクチンには保存剤として水銀であるチメロサールが使われていました。チメロサールを開発したイーライリリー社は1930年に末期髄膜炎患者22人にチメロサールを投与した実験で、全員が死亡したという結果を隠蔽し、チメロサールは安全だと結論づけました。
2000年にはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)が招集し、CDCとFDA(アメリカ食品医薬品局)の主要メンバーとWHO(世界保健機関)の著名なワクチン専門家、ワクチン製造大手各社の代表が出席した会議では、確認されているワクチンの有害事例を隠蔽することが取り決められました。
イーライリリー社と金銭的繋がりがあるマイケル・ピチチェロ博士が2001年にチメロサール含有ワクチンを打った乳児の血液から水銀が検出されないため安全であると結論づけた論文を発表します。しかし、金属は血中に長く留まらず、組織中に蓄積しますので、血液検査の結果をもって有害金属が体内から排出されているという主張は間違っています。当院でおこなっているオリゴスキャン検査では、組織中に蓄積された有害金属とミネラルの多寡を無侵襲で調べることができます。
製薬会社・政府・マスメディアと対立することになったロバート・ケネディ・ジュニア氏は反ワクのレッテルを貼られ、険しい道を歩むことになります。次号の最終回では、新型コロナ対策の間違いやコロナワクチンの毒性と健康に生きていくためのCHOICEを考えます。