ばあば歴５年が過ぎて、やっとばあばと呼ばれることに抵抗なく慣れてきた今日このごろです。

先日、孫のランドセルを買いにデパートに行って、その値段にびっくりしました。なんと、わが子のときの3倍ほどの値段になっていました。ランドセルは昔から祖父母が贈る風習があったようですが、とうとう私にも順番が回ってきました。すでに、のし紙には「じいじより」「ばあばより」と印刷されていて、来年できあがるランドセルの準備は万端のようです。それにしても、「じいじ」「ばあば」という呼び方は、いつから一般的になったのでしょうね。

私の娘たちも、私のことを「ばあば」と呼びます（できればお母さんと呼んでほしいのですが）。私が親になったころは、実の両親を「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼ぶのが当たり前でした。私も母のことを「おばあちゃん」と呼んでいましたが、不思議なことに、今でも「お母さん」と呼べないのです。

そんな母は今、認知症、失明、難聴、歩行困難で施設で暮らしています。若いころは仕事ファーストでばりばり働き、数字と共に生きているような人でしたが、ある時期から、まるでデータベースのようだった脳の機能がだんだんと低下し、ついに縮んでしまったのです。「なんだかおかしいな？」と感じ始めてから10年あまり、母はかつての面影を残していません。それでも、私と孫の名前、声はわかるので救われますが、認知症について、いろいろと調べたり、体験談を聞いたりしたところ、想像以上に恐ろしい状態でした。まるで別人のようになった母ですが、その言動の奥には、心の奥底に隠していた素の姿や、良い面も悪い面もあらわれているように感じることがあります。日々の生活やおこないがどれほど脳に蓄積されているかがわかりますよね。

大切な人たちと楽しく面白い時間を過ごすと、しあわせホルモンが溢れます。私たち家族にとって、日々どれだけ笑えるかが健康のバロメーター。その精神は孫にも受け継がれているようで、面白い子に育っています。会うたびに笑わせてもらったり、クイズを出されて試されたりしていますが、衰えゆく私の脳も、少しは刺激されていると信じたいですね。

近年、A‌Iが人間の生活に浸透しつつありますが、A‌Iは私たちをどれだけ笑わせてくれるのでしょうか？　いつか、A‌Iが死ぬほど笑わせてくれる日がくることを、そして素晴らしい未来が訪れることを心から願います。

プレマルシェ・オーガニクス店舗スタッフ
吉見 知佐子（よしみ　ちさこ）

好きな商品に囲まれ馴染のお客様も良く来ていただき居心地がいい場所で仕事をさせてもらっています。休日は読書や映画鑑賞、ショッピング、岩盤浴やプチ旅行へ行ってリフレッシュしています。