乳製品についての大いなる疑問
この問題はわが子のこととなると特に混乱することが多いです。ほとんどの小児科医とアメリカおよび日本の小児科学会は、1歳から毎日2〜3カップの牛乳を飲むことを勧めています。しかし、3カップの牛乳にはベーコン25枚分に相当する飽和脂肪酸が含まれています。飽和脂肪酸の過剰摂取が健康に悪影響を及ぼすことは、大人も子どもも同じことです。
乳製品は小児科医が頻繁に接する病気である肥満や便秘、喘息、湿疹、上気道感染、ニキビ、鉄欠乏性貧血、I型糖尿病、思春期早発症、乳児胃食道逆流、おむつかぶれ、さらに乳児突然死症候群とも関連しています。
しかし、私たちは小さいころから牛乳は体に良く強い体を作るために必要であると教えられてきました。多くの親たちは自分の子どもが牛乳を必要量摂取できているか心配しています。
アメリカの消費者、特に子どもたちに乳製品の必要性を植えつけているのは、大きな組織がおこなう強力なマーケティング活動によるものです。牛乳産業は2016年にはロビー活動に640万ドルを支出しました。これらのマーケティングにより、牛乳を飲むことが健康増進のために必要であると意識づけしていますが、これは真実とは程遠いものです。
普通ではなく必要でもない
人類は他の種の乳を飲む地球上で唯一の哺乳類であり、離乳後の年齢で乳を飲む唯一の哺乳類です。哺乳類の乳の目的は、自分の子どもに栄養を与え早く成長させることだけです。牛は60ポンドの仔牛を2年弱で600ポンドにまで育てます。
乳製品は、心疾患やがん、炎症性腸疾患、ニキビ、糖尿病、早死に、片頭痛、骨折、肥満など西洋化された社会に多い慢性疾患と強く関連します。多くの疾患で症状が出るのは大人になってからですが、できる限り早い時期から乳製品を避けることは、大人になってからの病気を防ぐことに繋がります。
牛乳になにが含まれているのか
炭水化物:牛乳の主な糖質は乳糖であり、世界人口の85%は乳糖不耐症です。離乳後は乳糖を摂取すべきではありません。
脂質:牛乳に含まれる脂質の多くは飽和脂肪であり、直接的に高コレステロール血症と心臓病に関連します。
タンパク質:牛乳に含まれるタンパク質のカゼインは、多くの種類のがんや多くの慢性疾患と関連があります。
ホルモン:妊娠した雌牛から搾乳した乳に含まれる高濃度のエストロゲンとプロゲステロンは、外因性ホルモンの一番の要因です。乳製品はニキビや乳がん、卵巣がん、子宮がん、多嚢胞性卵巣症候群、月経困難症、思春期早発症など、ホルモンの量や働きの異常で生じる病気と関連します。牛乳そのもののホルモンの問題は牛乳の本質ですので、良好な飼育環境やオーガニックの牛乳を選んでも避けられません。これらとは別に飼料に使われた農薬や、成長促進と病気予防に使用される成長ホルモン、化学物質、抗生物質の影響も深刻です。
中毒性
乳製品の摂取を止めるのが難しい理由は中毒性があるからです。乳製品には、糖や脂質、塩、カゾモルフィンに変化するカゼインを含みますが、これらは麻薬と同様「気持ちよくさせる」感覚を引き起こす物質です。カゾモルフィンは便秘の原因物質であり、乳児突然死症候群と関連する可能性がある要因でもあります。乳製品の中毒性は、哺乳類の赤ちゃんが彼らの栄養源に執着させるための自然の法則なのです。
まだ家族から乳製品を排除することに迷いがありますか? 味蕾が慣れてくると最終的には乳製品への渇望はなくなるはずです。