テニスが教えてくれたこと
先日、夏の暑い盛りに学生の時の友人に誘われ、殆ど始めてといってもいいテニスをしました。友人は普段からトレーニングしているようで、かなりの腕前です。私はといえば、打ち返すのがやっと、ホームランの連続でした。
久しぶりに外で汗を流し、後日は筋肉痛と膝の腫れに悩まされることとなり、普段の運動不足を痛感することとなりました。折しも、世間は錦織選手のオリンピックに続き、全米テニスに沸いているころでした。
技術的にはボールを打って相手に返し、また相手がこちらへ打ってくることの繰り返し……、相手を打ち負かしたい! という試合ではありませんから、なるべくなら友人がこちらへ返しやすい球を返そうと加減します。もちろん友人もしかりで、その小さなやり取りは下手なりにも打って返って打って返って、何とも優しい時間を作ります。
人との会話や間合い、人間関係にも通じる感覚を覚えて、ますますのめり込みそうになりました。一人でするトレーニングやスポーツも良いですが、相手のあるスポーツも良いものです。
いつも私がお話している、左右のバランスをとると言う意味では、テニスはどうしても右利きの人は右手ばかりを振る動きが多くなりますから、あえて反対の動きの素振りを多めにしたり苦手なほうを練習したりするなど、整理体操が大切なことを今更ながら実感しました。
激しい動きが長い時間続くと、様々な部分の関節、肘、膝、手首、足首、背中などかなりの負担がかかり、夢中になればなるほど無理な体勢になりますので、そこは注意が必要です。それらは自分が体験して始めてわかることの連続です。
歯の痛みや身体の痛み、心の痛みは、より相手に近づきたい、理解したいと思いを寄せることに似て、医師は治したい、患者さんは良くなりたいと思う気持ちが相まって初めて良い結果がついてくる共同作業だと思います。どちらか一方が強くても成り立ちません。それは神業のようなバランスで成り立っていくもので、私たちのこの身体の構造と一緒で、それぞれの臓器が連携しているのと同じように思います。
自分に取って必要なことを知るには五感を研ぎ澄ませること
少し話は逸れますが、人は、目の前にある物に、目に見えない力で大きく左右されます。
一般的に、人の身体にも物を取り入れる側と放出する側があり、左が取り入れる側、右が放出する側と言われています。
もし物を買う時に、どちらにしようかと迷ったら、物を左手に持ってみて、右手に力が入るかどうかを試してみましょう。力の入るものが、今のあなたに必要な物です。どっちのキャベツにしようかな? と迷ったら、スーパーでこっそりやってみてください。
もちろん感覚の鋭い方でしたら、自然と触らずとも感じてしまっているかもしれませんね。頭で理解しよう、言葉で理解しようではなく、身体が感じとる感覚は自然に私たちに備わっているものなのです。
現代の日本の教育は、以前の受験戦争のころと比べると、だいぶ個を重んじ柔軟になってきているようです。しかし、そこにはどうしても規則が必要ですし、知識の有無で判断されることが多いため、今後はもっと感覚の部分を伸ばすような教育が必要となってくると思います。とはいえ、その感覚や技術は、言葉や数式では見えない、表せない部分なので、習得するには時間がかかるかもしれませんし、難しいことだと思います。
日本の物づくりで伝統的な職人といわれるような方達は、言葉を交わすことが少なく、ひたすら感覚を研ぎ澄まし、先人達の技を盗み、鍛錬を積み、人間の成長とともに誤差の少ない素晴らしい物を作り続けています。今や、コンピューター全盛の世の中で、マウスワンクリックで製作が始まって3Dプリンターで数分でできあがる時代ですが、こつこつ積み上げて製作する間に体験し感じるものや時間を忘れないように、大切にしていきたいと最近は感じています。
東京都練馬区出身。
小学校は水泳と剣道、中学校はサッカー、高校は自転車で北海道や四国まで一人旅、大学で少林寺拳法。
小児喘息や膝を壊したときに、医療不信に陥った経験を活かし、今に至る。
「本当に治る治療」を目指し統合医療を提供。
健康は歯からを確信している。
ケテル齒科醫院東京都港区西麻布4-22-10 プレステージ西麻布3F
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