プレマシャンティチーム 横山です。
1月最後の日。
雪の残る工房で、2回目の野菜ブイヨンづくりの立会いです。
野菜ブイヨンは、原料が工房に入ってから、箱詰めされてお手元に届くまでのかたちになるのに4日間かかります。
今日はそのうちの2日目、「調合」を学びにきました。
教えて頂いた全ての工程を、わたしが見てきたようにお伝えできると最善とわかりつつ。
作り方や道具・設備には、それぞれの工房の工夫が積み重なった秘密や鍵が随所に隠れています。
そのため工房からお許しを頂いた範囲でのご紹介とご説明になりますこと、ご容赦ください。
野菜ブイヨンづくりは、素地の仕込みから始まります。
ブイヨンは、もちろん液体です。だって、スープですから。
何を云っているの?と云われそうですが、この液体のブイヨンをどうやって固形?乾燥形?にするかがご存知ですか?
良く知られているのが、スプレードライ。
霧状にした液体を、熱風が渦巻く装置の中で乾燥させるというもの。
フリーズドライというのもありますね。
瞬間冷凍したあと真空にして水分を飛ばします。
野菜ブイヨンはこのどちらでもなく、ブイヨンを素材に染みこませて熱風で乾燥させます。
「素材」が何かに興味をお持ちの方は、野菜ブイヨンの原材料をみてください。
一番最初にきているものが、その”素材”です。
液体の原料と”素材”を切り混ぜるようにしてなじませた後に、乾燥させてふるいにかけます。
大きな塊は取り分けてつぶしてから、更にふるいにかけたものがこの上の粉です。
野菜ブイヨンの味のカギは、これ。この状態でもうほとんど「出来上がり」なのです。
ですが。。。ここから場所を変えて、調合へ。
セロリシードや黒胡椒など、味を”仕上げる”素材とあわせます。
原材料は、材料の重量が大きい順に書くのがルール。
重量順ですから、比重が軽いものはとっても量がおおくなります。
頭ではわかっていても、調合の材料が全部パレットに並んでいるのをみると驚きます。
向かって左側のパレット(青い台)が先ほど作った野菜ブイヨンの素。
右側がこれから調合する粉状の材料。
粉上状の材料の中で一番場所を占めているのは、玉ねぎパウダーが入った袋で、これがブイヨンの素と同じくらいたくさんあるんです。
写真の中に写りきってないのがとても残念!
「味はさっきつくったブイヨンのもとで、もうほぼできているんですよ。」
だったらどうして、玉ねぎをこんなにたくさん加えるんでしょうか?
玉ねぎは、甘みです。
同じ甘みでも、舌でわかるかわからないかの穏やかで、柔らかな甘みです。
ブイヨンを少量使うだけでも、奥の方にしっかりとした味が残るのは、この玉ねぎパウダーの力もあります。
香辛料たちは、瞬間にうま味を感じさせるため。玉ねぎパウダーは、あと引く味の印象をつくるため。
これも中心にある「野菜ブイヨンのもと」が、ほぼ完成した状態にあるから出来る味の調合です。
10キロずつに小分けされた調合後の野菜ブイヨンは、翌日まで熟成してから小さな袋に小分けします。
野菜ブイヨンの調合にかかった時間は、ほんの15分でした。
あまりにも短くて驚くかもしれませんが、お料理を職業にするひとたちはよく「仕込み7割」といいます。
このブイヨンづくりもまた、仕込み7割だなあと実感できる作り方です。
しっかりと仕込みをされたうえで出来上がった野菜ブイヨンは、どなたのお料理の「仕込み」にも使っていただける骨のある子たちだと、今回あらためて実感して帰ってきました。
さて、次は何をお願いしましょうか~~~~♪
アイデアが更にひろがりました!