プレマシャンティ開発チーム 横山です。
大豆と塩だけでつくったお味噌『熟成豆味噌』の桶がかわりました。
『熟成豆味噌』は、国産大豆と塩だけをじっくりと
最低2年は熟成させた風味と香りのよい
赤味噌と呼ばれる豆味噌です。
桶が変わると同時に、珍しい事態になりました。
未開封の状態で「袋が膨らみやすく」なっています。
袋が膨らむのは、炭酸ガスの影響です。
炭酸ガスが発生するのは、麹(こうじ)が働いているから。
麹が働く=発酵が続いている証拠です。
麹菌(こうじきん)の発酵速度を変化させるのは、
塩分だったり、重しだったり、温度だったり。
塩分が高い「赤味噌」や「八丁味噌」は、
もともと常温でじっくり、ゆっくり発酵させる味噌で、
常温保存が可能です。
麹菌の活動は、気温が20度を超えた頃から
活発化しはじめます。
冷蔵庫に入れなくても、日の当たりにくい
比較的温度が低い場所においておけば、冬季であれば、
それほど発酵は進みません。
ですが、室内気温が上がりやすい春から夏にかけては、
室温で、じわじわと発酵が進む傾向にあります。
そもそも『味噌』は、
常温で保存ができる食品です。
最初から容器に入って販売している味噌は、
未開封の状態で、です。
『味噌』と書いたのは、近代にはいって、
塩分を控えめにしたり、だしを入れたり、多少調味をしたり、
麹と穀物(米や麦)、大豆で時間をかけて仕込んだ味噌
以外の味噌が店頭に並んでいるから。
またあらかじめ使いやすく加工をしてあったり、
火にかけて発酵しにくくしてあったりと、
味噌に手を加えあったりもします。
生きたままの味噌は、
じわじわ発酵しています。
だからお好みの味になるまで室温で追熟してから、
冷蔵庫での保管に切り替え、熟成をとめる
という方法もあります。
麹菌が(コウジカビ)消費するのは、
でんぷんやたんぱく質です。
簡単にいうとでんぷんはぶどう糖に、
たんぱく質はアミノ酸に酵素分解されます。
上手く追熟すれば、塩かどがとれた
丸みのある味に仕上がることもあります。
ですがネックは、メイラード反応。
追熟が進むと、色味が濃くなったり、
茶色になったりします。
いわゆる褐変(かっぺん)した状態で、
メイラード反応と呼んでいます。
メイラード反応は
味噌中のアミノ酸と糖分が反応して起きるため、
うまみの質が変わってしまいます。
麦みそや米みそなど、色が薄いお味噌は、
変色すると味が変わるので要注意です。
赤味噌の場合は、
既にメイラード反応が起きています。
だから多少追熟が進んでも、
品質に問題はないのですが・・・。
今回の桶、何が違うのか?
作り手も、毎回 同じように仕込んでいるはずですが、
何かが違って、今回のように膨らむことがあります。
作り手さん曰く、
十何年ぶりの事態だそう。
膨らんでしまっても、品質に支障はありません。
ただお手元に届いたら、過剰な発酵を抑えるために
冷蔵庫にて保管ください。