手術後しばらく身体が一番要求したのは「鉄火味噌」。
元来の鉄火味噌は、煎り大豆、ササガキゴボウの油炒め、赤味噌、みりん、唐辛子などを混ぜ合わせて練ったなめ味噌のことですが、いつの間にかマクロビオティック料理の鉄火味噌のことを指すようになりました。
ゴボウ、人参、蓮根、生姜のみじん切りを胡麻油でよく炒め、豆味噌を入れて何時間もポロポロになるまで炒ったフリカケです。
20代前半に、前回書いた桜沢里真先生のリマクッキングスクールで教わって何度も作ったことがありますが、それはそれは手間と時間がかかるものなのです。
薄手のフライパンで作ると焦げやすいので、厚手の鉄鍋がおすすめ。
ゴボウ、人参、蓮根といった根菜を(根菜は陽性)、
みじん切りにして(小さいは陽性)、
胡麻油で(油の中では粒の小さい胡麻の油は陽性)、
かき混ぜながら(回転の陽性)、
よく炒めて(熱の陽性)、
アクを抜き(アクは陰性)、
豆味噌を入れて(味噌の中では豆味噌が一番陽性)、
長時間炒り上げた(時間の陽性)、
マクロビオティックを代表する極陽性な料理です。
これを病院食の白米ご飯や家から持参した陰陽ライフの「玄米葛粥」にふりかけていただきましたが、造血作用があるとも言われ、手術で出血して貧血気味になっていることと、全身麻酔や抗生剤、点滴、レントゲン等により身体が極陰性に傾いているため、極陽性の鉄火味噌を一番要求し、とっても美味しくて毎食摂っても飽きませんでした。
また、ご飯やお粥にふりかけるだけでなく、病院食の塩気の薄い味噌汁に入れて溶かすと、濃い、陽性な味噌汁になりますので、即効性を求める場合はこの方法で摂りました。
友達から「お見舞いに行くけど何か欲しいものある?」と聞かれると、すかさず「鉄火味噌!」と遠慮なくお願いしたので、入院中、欠かすことはありませんでした。
持つべきものは友ですね(笑)。