横山@チームプレマシャンティです。
ご縁があって、旬のお野菜をお届けする野菜ボックスをはじめました。
埼玉県児玉郡上里町で農業を営む須賀さんのご一家と志を共にするお仲間が、育てているお野菜です。
須賀さんからは、時々、圃場のお写真が届きます。
4月中旬の枝豆の様子です。
こちらがビニルハウス内の枝豆で、出荷はこちらが先になります。
これが同じころに路地に1本ずつ手植えされた枝豆です。
5月の中頃までは、遅霜と云われる霜がおりることもあるので、油断がなりません。
ビニルトンネルを被せて、霜よけをします。
枝豆を辞書で調べると、「成長途上の未熟な大豆」と説明されています。
植物学的には、確かにそのとおりなのだけれど、辞書にそった説明で須賀さんの枝豆をご紹介する文章をつくりあげた私に、須賀さんからご指摘がありました。
枝豆をわざわざ手植えをしてまで手間暇かけるのは大豆ではなく、虫がつかない時期に最善の状態て枝豆を出荷するためです。
この時期を逃すと、虫が豆を刺してしまい出荷出来なくなります。
お客様に最高の枝豆を届けたいために、枝豆の苗を作り一本一本手植えすることから始まります。
大豆の時期とは違い、大豆を手植えすることは、専業農家ではありえないので、どう説明すれば良いですか?
たとえ同じ植物であっても、育てる側にとっては違うのです。
「大豆」は丁度、初夏が蒔き時です。春から夏にかけて種を蒔き、秋に収穫します。
収穫の途上で、間引きするように「蒼いまま」の莢を収穫して、枝豆として頂くこともあります。
ですが、初夏、丁度ビールが美味しくなる時期に、莢ごと収穫する「枝豆」を育てるのは、純粋に「枝豆」としてご紹介するためだけであって、熟すまで置いたりはしません。
定植するのも、収穫するのも、虫が出始める前のわずかなスキマを狙うから、長年の勘と記録と経験と技術を総動員して育てておられます。
自分の踏み込みの甘さに恥ずかしくなりました。
大豆は病害虫にやられやすい農産物のひとつで、小さい時から成長して熟しきるまでの間、もう本当に驚くほど沢山の虫が、根を、葉を、茎を、莢を、実を、狙ってやってきます。
余談ですが、我が家でも大豆を育てます。年越しの黒豆をと育てている秋収穫の大豆(黒豆)は、莢も実も虫食いなく楽しめるのはほんのわずかで、あっという間に虫が入り始めます。
莢のまま塩茹ですると、虫が浮いてくることもあるし、中に入ったままゆだっているので・・・虫をつけないよう自然農法で、「販売用の農作物を育てる」難しさは、表面だけかもしれないけれど、想像はできます。
こんな状況だから商用の大豆を収穫する時は、往々にして農薬を散布するし、多少豆が食われてもいいように、結構な量を植えます。敢えて自然農法や有機栽培認証を取得されるのは、挑戦と信念以外のなにものでもないだろうなと考えもします。
今年は4月末から5月の初旬にかけて、気温が下がる日が多くて、野菜の成長がおくれました。
5月の連休明けに発送する予定のお野菜の成長が遅かったので、お客様にお願いして1週間遅らせての発送でした。と思ったら、急に気温が高くなり・・・。6月に入って、「初回の枝豆は、発送が早まるかも」と連絡が入りました。
命を育てる仕事には、気を抜ける時も、休みもないように感じます。
確かにそのとおりなのだけれど、須賀さんたちの育てるお野菜からは、温かさを感じます。
生きる強い力をわけてもらったような気持ちになります。
半世紀以上も”土”を育て、”適地適作(てきちてきさく)・適期適作(てっきてきさく)”を実践してこられた須賀さん。彼と志を共にして土と自然に向き合うご家族と仲間たち。
彼らがどれだけ自然に寄り添って、大切に命を育んでいるのかが、野菜から伝わるのが不思議でなりません。