はじめまして。黒酢屋4代目の大山憲一郎です。
「黒酢は独特のクセがあって、どうも使いづらそう…」という、ご意見をいただくことがあります。
黒酢のクセは何からくるのでしょう?クセの理由は3つあります。
1つ目に玄米を使っていること、2つ目に長期発酵熟成(1年以上)させていること、3つ目に屋外のかめ仕込みであること。
玄米には独特のクセがあります。
お酢でも、白米で仕込んだ米酢と玄米で仕込んだ黒酢は、味が違います。
更に長期発酵熟成と、屋外のかめ仕込みにより、麹菌、酵母菌、酢酸菌、乳酸菌など様々な菌が、その時期に応じた発酵で黒酢を仕上げます。
酸味を中心に甘み、旨味、苦味などが複雑な特有の味を醸しだすのです。
速醸法(より早く造る技術)の普及で安価な発酵食品も増えましたが、古式醸造の静置発酵法(アルコール発酵は液面に酢酸菌が膜をはって発酵するためこう呼ばれています)されたお酢は、格別な風味を醸しだしています。
黒酢のクセは、本物である証拠です。
このクセを活用してみませんか。
黒酢特有の味が生きる利用法は、まずは黒酢ドリンクです。
黒酢によく合う甘味や果実のベスト5は、
①ハチミツ、②黒蜜(黒糖)、③みかん・りんごなどの果汁100%ジュース、④砂糖(キビ糖・てんさい糖など)⑤牛乳(豆乳)です。
黒酢の半分くらいの量を目安に、お好みで割合を変えてみてください。
酸味と甘味はよく合います。
夏はペットボトルに作り置きをして冷蔵庫に入れておくのもお勧めです。
料理では、あらゆるお酢料理の隠し味に使ってください。
米酢に黒酢をほんの少量加えることで、旨味の幅がぐんと広がります。
炒め物などの油を使った料理に黒酢をふりかけても、さっぱりとして食が進みます。
黒酢の特長を理解して、いろいろなアイデアで黒酢を楽しんでください。