原料になる葛根は、葛の葉、茎が枯れ、根に栄養が溜まる12月上旬から翌年3月上旬にかけて、西日本の山間部で「堀子」と呼ばれる人々の手によって採取されます。
採取には、地形や枯れた茎の様子から、根に含まれる澱粉の質・量を判断する目が要求されます。
堀子は、まさに熟練の職人ともいえるでしょう。
集められた原材料は、空気の澄んだ寒冷な気候、純度の高い自然水に恵まれた奈良県吉野近郊の工場で、創業以来450年に渡り伝わる自然製法により精製されます。
本葛精製は、12月から3月頃までの限られた時期に行われますが、厳寒の頃、特に根に栄養が充実する1~2月が最盛期です。
この時期の当地は、日中でも気温が氷点下になる日もあります。
寒い中で製造することで菌の繁殖が抑えられ、より上質な葛粉が生まれます。
精製には自然水のみを使用しています。
高品質な製品には、寒さと、水の純度の高さの両方が不可欠です。
極寒期に自然の水だけで精製される葛澱粉は、粒子が非常に小さく繊細です。
また、葛根本来の滋養や特有の風味が損なわれることなく残っており、昔から貴重な栄養源として、また今では、お菓子、料理などの食材としても重宝されています。