畑のお肉 ソイミートには、ヘキサン(ノルマルヘキサン)を使用せず脱脂した
国産大豆が使われています。
伝統的な『圧搾法』は、胡麻やなたね、大豆の油分を効率よく搾り取ることができないため、
抽出率をあげるために考え出された方法が、ヘキサンを使用した抽出法です。
ヘキサンは灯油のようなにおいがする有機溶剤の一種です。
ヘキサンの沸点は、植物油よりも低く完全に揮発するため油には残存しないとされており、
現在では家庭用植物油として一般的に販売されているものの多くが、
有機溶剤である『ヘキサン』に原材料を浸け油分を溶かし込んだ後に、
油分だけ分離するという抽出法で作られています。
丸大豆以外を原材料とする大豆加工品にも、ヘキサンを使用し大豆から大豆油を取り出し、
残りの脱脂大豆を原材料としている商品は少なくなく、
実は国内で製造する醤油ですら対象外ではありません。
搾油の効率や脱脂大豆の利便性を考えた結果、使用されるようになったヘキサン。
原料大豆に油分が残っていると、加工しにくい食品も沢山あり、
畑のお肉 ソイミートもまたそのひとつではありますが、
ヘキサン抽出では、大豆が本来持っている旨味も損ねてしまう場合があります。
またヘキサンとアレルギーの因果関係を指摘する声もあります。
目的は油を搾ることではなく、大豆をより簡便な食材に変化させることです。
だから大豆の滋味はそのまま残っていて欲しい。
だとしたら、ヘキサンを使用せず、
加工の邪魔にならないギリギリのラインまで大豆を脱脂し、
美味しくて身体にも優しいのが一番。
科学(化学)技術は確かに様々な利便性や効率の向上をもたらしました。
しかし食文化においては、時には非効率と思われる手法を選択する決断も大切です。