プレマシャンティ開発チームの花井良平です。
先日、7月7日のプレマの「ほんもの発掘ブログ」に、同じ開発チームの横山から、「熟成豆味噌」の「桶をかえたら、膨らんだ!」という投稿がありました。
https://prema.binchoutan.com/developer/etc/mamemiso-2/
その昔、昭和54年にオーサワジャパンに入社当時、味噌の袋は膨張するのが当たり前でした。
ある時、倉庫で作業中にブチッ、ブチブチッ、ブチブチブチッ!と聞き慣れない音がするので、見ると、味噌の段ボール箱(1㎏×10袋入り)の蓋が膨らんでガムテープが切れる音でした。
味噌が発酵して箱の蓋を持ち上げてガムテープが切れたのでした。
それくらい発酵の力は強いのです。
中を見ると、味噌の袋が今にも破裂しそうにパンパンに膨らんでいます。
そのままにしておくと、いずれ破裂して悲惨なことになるので、袋の上部に針でガスが抜ける程度の小さい穴をあけ、一袋ずつガスを抜く作業を何度もしたものです。
ところが、別の蔵の味噌でまったく膨らまないものがあり、なぜだろう?と違いを調べると、膨らまないほうの味噌は、袋ごと熱湯殺菌していることがわかりました。
膨らんで箱を壊したり破裂する味噌よりも、おとなしくしている味噌のほうが扱いやすいのですが、熱湯殺菌しているということは、生きていないということになります。
せっかくの発酵食品なのに発酵を止めてしまっていいものか・・・?
熱湯殺菌している蔵元に聞くと、食べ頃で発酵を止めることが目的とのことでした。
いろいろな疑問が湧き、蔵元とも相談し、加熱殺菌はやめることにしました。
ただ、殺菌しないと発酵が進んで袋が膨張し、破裂する可能性もあります。
何かいい方法はないものかと探していると、ちょうどその頃、コーヒー豆?の袋に採用され始めた、中からガスが抜けて外からは空気が入らないようなバルブが普及しつつあり、それを味噌袋につけることを某味噌蔵から提案されたのでした。
さっそくバルブ付きの袋を特注して切り替えてみると、袋が膨らんでパンパンにならないとガスが抜けないので見た目はよくないのですが、袋が破裂する心配はなくなり、各味噌蔵にこれに切り替えるようにお願いいたしました。
その後、カップ容器が主流になり、中のアルミ?のシートにバルブが付くようになって、市販の味噌でも“生味噌”が増えてきましたね。
袋が膨張するのは生きている証!
決して不良品ではありません。
ただ、味噌の種類や仕込み時期、熟成期間、その時の温度などによって、発酵が進む時期と落ち着く時期がありますので、生きているからと言って必ずしも膨らむわけではありませんし、味噌の主用途である味噌汁は、どのみち加熱してしまうので、「食べ頃で発酵を止める」のもアリという考え方もあります。