プレマシャンティ開発チーム 横山です。
京都の三条会商店街に、実店舗「プレマルシェ オーガニクス」があります。
オリジナルはもちろん、びんちょうたんコムで
お馴染みの商品たち、そして店舗にしかない商品も、
沢山取り揃えた宝箱です。
宝箱に、何を入れよう?と、あれこれ考え、
思い至ったのが、「日本の伝統」。
プレマシャンティのこれまでの軸であり、
そしてこれからの軸ともなる「先人の知恵」を、
伝えられるご縁を詰め込みたい、という想いでした。
じゃあ、伝統って何?
そんな声が聞こえてきますが、まずは手始めに、
「発酵調味料」の数々、しょう油や味噌、
そして、それを使いこなす知恵や、歴史的な背景です。
この数年、プレマシャンティのご縁で、
行動範囲が各段に広がりました。
まだまだ知らない場所ばかりですが、
九州、北陸、東北、中部、関東と
足を踏み入れたこの数年、個々の土地の味の違いに、
好奇心が刺激されています。
東西で味が違うのは、当然と思っていましたが、
同じ地域でも、海辺と山側では味付けが異なります。
海辺に行けば、甘く。
山の中に入れば、塩辛く。
海側でも漁師町など、力仕事の多い地域は、
特に甘い味付けになる傾向があるように感じますし、
山の中でも、同じく、力仕事が多い炭鉱などは、
鹹味だけでなく、味自体が濃い気がします。
そしてそれぞれの地域でつくる醸造調味料にも、
地域の味がしっかりと根付いています。
先だって、小豆島に上陸するご縁がありましたが、
小豆島醤油は、なんと関東風でした。
小豆島は、地理的には香川県です。
淡口(うすくち)醤油の里、龍野とも近く、
完全に「淡口醤油」の関西文化圏に入るはずが、
なぜだか不思議に東の味です。
強さというか、濃さというか。
キレが良くて、主張が強い、けれど丸い
関東独特の風味で、頭の中は「????」。
小豆島には、全国でも4つの指に入る
大手の醤油蔵があります。
ご存知でしたか?
戦国時代にさかのぼる小豆島の醤油醸造は、
島でつくる塩と、瀬戸内廻船が持ち込む米と大豆、
時代背景に助けられ、江戸から明治にかけて、
ぐんぐんと発展します。
わずか150キロ平方メートルの島に、
最盛期には、400軒の醸造家がいたというから、
驚きです。
しかしながら、彼らが個々に仕込む醤油は、
時には「小豆島醤油」の信頼に関わるものも
混ざっていたと云います。
この品質を管理していたのが、
島の醤油家が集まり組織した協業組合です。
そして、島醤油の品質向上を目指し、
「醤油醸造試験場」が設立されました。
時は明治。
次の時代を見越して、彼らが品質の基準としたのが、
関東の醤油だったのだそうです。
技術者も関東から招聘され、
醤油麹菌も関東から持ち込まれ。
研究を重ねて辿りついたのが、
今の「島醤油」の味に繋がる原点でした。
そして、全国でも4つの指に入る
蔵の味をつくったのも、この研究所の努力の結果が、
少なからず影響しているのだと聞きました。
小豆島には、今もまだ1000本を越える
桶のしょう油が残っています。
現在14軒ある醤油蔵のうち、「桶仕込」というと
全国的にも名前を知られている蔵が3軒はあります。
醸造のたまものである醤油は、
環境風土に大きく影響を受けるため、
今は、「島醤油」独特の風味が加わってはいますが、
桶仕込みの「島醤油」は、蔵ごとの個性が出て、
とても味わい深く、面白味があります。
プレマでは、この桶仕込醤油を、2つの蔵から取り寄せました。
桶仕込の白たまりを使ったプレマシャンティの「精進白だし」を是非一度お試しくださいね。