先日数年前の月刊紙を何気なく読み返していた時に、素晴らしいことが書いてあったのでご紹介します。
その方は当時働き盛りでしたが、どうも身体の調子が悪く病院で調べてみると腎臓に癌が見つかり、直ぐにでも手術をしなければいけない状態でした。ところが彼は仕事の忙しさに8ヶ月間手術を断り続けていました。しかしとうとう動けなくなり手術をうけ右の腎臓を摘出、その後も癌はあちこちに転移し抗がん剤治療や放射線治療をうけ激しい副作用と戦い続けました。当時余命は2ヶ月と宣告されていました。
そのうち嗅覚が異常に鋭くなり病院にいるのさえ苦しくなってきました。嗅覚が鋭くなるのは死期が近くなった人の特徴だそうです。担当医師の勧めもあり自宅で様子をみることに……。
そこで彼は独自で食事療法をしたりしながら過ごすうちに、太陽の光を全身にうけると身体にエネルギーが巡るのを感じ、毎日早朝に太陽を拝むことにしたそうです。そうしたところ毎日夜明け前、小鳥たちが一斉に鳴き出すことに気がつきました。不思議に思った彼はいったいどの位前に鳴き出すのか根気よく観察したところ、日の出の42分前に鳴き出すことを突き止めたのです。
日の出の42分前……。晴れの日も雨の日も曇りの日も同じように一斉に鳴き出す。毎日毎日それを観察していた彼は、小鳥たちは日の出前の木の葉から出る酸素に反応しているのではないかと考え、自宅で飼っているインコの脇で何度かシチュエーションを変えながら酸素スプレーを噴射して実験をしてみました。すると何度やってもインコは酸素に反応して鳴き始めたそうです。
夜明け前の小鳥たちは、早朝木の葉から出る新鮮な酸素を吸って歓喜の声をあげていたのです。そこから彼は毎朝日の出を待つ間、新鮮な空気を取り入れることを実践し続け、食事療法やヨガなどで自然治癒力を高め沢山の方達の愛を受け続けたところ、癌は自然治癒したとのことでした。
以前ドイツの山沿いの温泉地へ宿泊した際、眠りが浅く明け方に目が冴えてしまい、どうしたものかと窓の外を眺めると、辺りはまだ暗闇に包まれ山の輪郭しか確認できませんでしたが、沢山の小鳥たちがもう目を覚まし暗がりの中に美しい声を響かせていました。何のことはない、私は小鳥たちの歌声と屋根の上を歩く小鳥の足音に目を覚ましてしまったのです。その時、ホテルの窓からビデオで小鳥の声と白んでいく山々を撮り続けたことを思いだし、あれが正に日の出の42分前だったのだと気がついたのでした。
今現在私は大きな病気をすることなく過ごしています。しいていえば体重の増加が気になるくらいですが、人からこれいいよと聞いたことは取りあえず実践、挑戦してみたいと日々思っています。そこで早速彼にならって、日の出の42分前には毎朝新鮮な空気を取り入れることから始めてみました。毎日生まれたての太陽を目にすることは大変にすがすがしく純粋に一日の始まりとして楽しみになりました。
自分だけの秘密の時間があるようで、困難な事案が待ち受けている日だとしても私にはこの時間がある、と思えるとその日の力となるのです。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師.整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |