プレマシャンティ開発チーム横山@日本です。
非常事態宣言が、解除されましたね。
今まで休業要請対象、あるいは対象外なのに周囲の雰囲気(圧力)で休業していた店舗や施設が再営業を始め、場所によっては結構なひとが集まっているようです。
西日本の過疎化が進む田舎でも、4~5月は図書館や公民館が一時閉鎖。
反面 イ○ンなどの大型店舗は、まさかの全館営業で、ちぐはぐだな~と思っていましたが、今日は営業を再開した○チ○コ店の前に行列が出来ているのをみて、さすがに苦笑い。
面白かったので写真をとって、フランスで一人暮らす我がパートナーに見せると、「わお!」と絶句していました。
5月11日に外出禁止令が解除されたフランスは、段階的に休業要請が緩和されつつあるなかでも、ビーチや観光施設、遊興施設はまだまだ対象外の様子。
学校は小学校から順次再開し、レストランも動き出していますが、日本と同様、地域によっては継続して警戒を要する地域もあり、夏休み時期を目前に控えて、国民に不満がでないように、状況が後戻りしないように、「さじ加減」を調整しながらの解除が始まっています。
会社はというと、全地域で変わらず、在宅勤務ができるひとや会社は、極力在宅勤務の継続が要請されています。
パートナーの勤め先では、5月中旬の時点では、7月末まで全体の25%、12月末までは50%が必要に応じて事務所に戻っても良いという通達でしたが、6月になって状況が若干かわりました。
7月末には、50%以上。マスクをし、衛生環境を整えたうえで、必要な人員を戻すと公式発表がありましたが、付加条項が「各自の合理的かつ理性的な判断にゆだねる」。
つまり・・・。
出てくるなとは云わないが、出てきても各自の自己責任。
チームごとに密度も仕事の環境も、出社する必要性も異なるから、出社を強制せず各チームのトップに判断を委ねる。個々の出社環境・居住場所も雇用形態も異なるので、最終的には遠隔勤務が続いた間の仕事効率・出来高を考慮したうえで、個々人が責任をもって判断をすること、という意味のようです。
小学校が再開しているとはいえ、週に1~2日程度の学校も多く、必然的に自宅勤務を選ぶスタッフも多いようで、状況はあまり大きく変わらず、家族と一緒の時間が増えています。
5月にはいって、退屈を極めた子どもたちの会議同席が増えていたのですが、この通達を受けてか、更に面白い変化が起きました。
それは仕事の場所。
パートナーの同僚のひとりは、仕事場を子供部屋に移しました。
多くが、ダイニングテーブルで仕事するようになりました。
背景がめちゃくちゃ可愛かったり、子どもの半身が映りこんだり、後ろで遊んだり、移動する姿が見えたり、時には子どもが膝にのっていたり。
自分が発言している時以外は、「マイクはミュート」のリモート会議の原則が徹底されているからでしょうが、姿は見えるのに、子どもの話し声がほとんど聞こえなくなりました。
子どもの声はトーンが高いので、マイクが拾いやすいのに、カメラに映り込むくらい近くでも、声がしないのは不思議だな~と思っていたのです。
私とのテレビ通話を繋ぎっぱなしで会議に参加している相方も面白いのですけど、その私に挨拶してしまう更に面白いひとたちなので、会議開始前の一瞬を狙って、「子どもたち静かだね」と聞いてみました。
一斉に「静かじゃないよ~!!!」と即答されました。
「だって静かじゃん」と私。
「今だけ!」と彼ら。
曰く、子どもは僕の(私の)隣で勉強する。
僕は(私は)、子どもの隣で仕事をする。
ルールはひとつ、お互いに、お互いを尊重する。
そして、学校の授業時間割に沿う。
なるほど。
学校の時間割にそって動くことで、自分も子どもも一日の大枠の流れが出来上がるし、仕事をする自分は、短時間で・集中して物事を片付け、効率よく息抜きができる。
休憩を一緒にとって、一緒にわーーーーっと騒ぎ、「授業中」はお互いやるべきことをやる。
話しているひとの邪魔をしないというルールも、学校と同じだから、子どもたちにとっては「特別ルール」が極力少なくなる、のだそう。
年に数回 子ども同伴で出勤し、「親の職場」を見せたり、家族同伴でパーティをする職場が多い国だからこそ の在宅勤務スタイルなのかもしれませんが・・・。
今年は多くのひとが、在宅勤務をする機会に恵まれるフランス。
外出禁止令が出ていた数か月の間に、「在宅勤務」に向くひと、向かないひとの振り分けが始まっているのも事実です。また様々な意味合いで、同居するひとと、自分自身との折り合いをつけられず、どちらかが家を出たり、子どもを祖父母に預けたりしたひとたちも少なくないとも聞きます。ただそれでも、ひとりでアパート暮らしをするわが相方に「ひとりだと寂しいね」と声掛けしても、「ひとりで羨ましい」というひとがいないのは面白いなあと思います。
社会の最小単位は「家族」が、DNAに刻まれた国らしい反応です。
余談ですが、フランス語では在宅勤務をtélétravail(テレトラバイ(ル))と云います(正確には違うのですけど、似た意味合いで使われています)。
新型肺炎の蔓延防止で、ステイホームとかソーシャルディスタンスとかオーバーシュートとか、耳慣れない独特の和製英語がそれこそ”蔓延した”日本で、どうしてリモートワークではなく「テレワーク」なのか不思議でしたが、もしかしてフランス語と英語を寄せ集めた新「カタカナ外来語」でしょうか。
この勢いで、クリスマスやハロウィンのように、家族総参加!の外来文化も日本文化に同化してほしいものです。