プレマシャンティ開発チーム横山です。
プレマシャンティの有機麦みそや有機米みそ、有機あわせみそは、日本古来の仕込みのままの杉桶仕込みのお味噌です。
仕込み元の杉桶(すぎおけ)が老朽化し始めて、味噌を掘り出すときに、桶から剥離した木片が混ざるかも、とご連絡を頂いてからはや数年がたちました。
さすがに木が入っていると危険だよねと目視検査を徹底したり、桶から掘り出す方法を変えたり、底面が一番剥離しやすいからと底面の味噌は別使いにしたり、小分けし詰めるときにすりつぶして漉すという話が出たり、なんとか「味噌以外」の物体が混ざらないように作り手は、最大限の手間をかけています。
そのお陰もあって、木片が入っていた!というお客様からのご連絡はおちついていたのですが・・・
つい先日、再び「木片らしい」ものが沢山混ざっていたとのご連絡がありました。
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「木樽のかけらが入っているのを了承して」購入したものの…あまりの木樽のかすが多すぎて、私の場合は網で濾しても味噌汁も使いづらくて使えませんでした。
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もう、ご紹介をやめないとだめか?
そう考えながら、お店においていた一袋を確認しました。
写真のような黒い筋。
もしかして、これ?と予想をつけましたが、本当に細かい木くずはいっていたなら、大ごとです。先入観は禁物と、事務所にいるスタッフにお願いして、開封し湯にといて確認してもらいました。
確認をした岸江曰く、
「茶こしで溶いたら、もちろん残ります。木くずのように、ずっと口に残って、つまみ出せるものでは有りません。十分食べられます。この黒い線だけまとめると、確かに硬い感じはしますね。」
ご連絡くださったお客様からも現物をお返し頂き、確認しました。
「茶こしで溶くと黒い線が沢山残りますが、食べると違和感なく口内で溶けます。木片ではありません。」
異物ではなかった、よかった とほっとしました。これで、ご紹介がつづけられます。
この黒い線、大麦にはつきものです。
大麦には一粒一粒に、「黒条線(こくじょうせん)」と呼ばれる黒い縦線があります。これは種子を形成する際の栄養分の通り道となる部分です。
麦みそは、大麦を麹にして仕込むので、この黒条線も一緒に麹になり、多くの場合、発酵工程を終えて味噌になっても残っています。
昔の味噌屋さんはこの黒い線を、「ふんどし」と呼んでいました。今でも年配の味噌屋さんは、ふんどしと呼ばれますね。
また大豆のへそが黒い黒目大豆は、味噌にするとヘソが異物に見えるため、麦味噌に使われています。白い色目が特徴の白みそには、白目大豆をつかいます。
異物が混ざっている!事件が起きると、販売者にとっても生産者にとってはさらに、警戒・警報の出来事ですからもうずっと昔から、原料を選ぶ段階でフィルタがあります。
麦みそや麦みそと米みそを混合したあわせみそは、すべてこの黒い筋がまざります。
味噌をざるで漉して、つぶれるなら木片ではありません。すりこ木ですって、違和感がなければ木片ではありません。
今回は、本当にほっとしました。
同時にご連絡をくださった方には、感謝申し上げます。