はじめまして。しいたけ屋「武久」4代目あととり娘の武久景子です。
普段、乾しいたけをどのように使っていますか?
大半の方は、水戻ししてからお料理されると思いますが、戻し方にもコツがあります。
まずは低温の水で戻すこと。
次に、時間をかけること。
最後に、十分に戻すこと。
この3つを心がけて戻した乾しいたけは、しいたけそのものが風味豊かになるだけでなく、
「戻し汁」に旨みが凝縮されています。
「戻し汁」こそが日本の伝統食に欠かせない「だし」であり、世界が注目する「UMAMI」のひとつなのです。
母のつくるお味噌汁は、「だし」をとることから始まります。
椎茸だけでなく昆布やいりこも一緒に一晩真水で戻してとった母の「だし」は、私が幼い頃から慣れ親しんだ味の基本です。
しいたけにはグアニル酸、昆布にはグルタミン酸、いりこにはイノシン酸という「うま味成分」が含まれています。
そしてこれらを組み合せることで、「うま味」が飛躍的に強くなることが知られています。「美味しさ」の秘密は、
しいたけ・こんぶ・いりこの組み合わせ。これは日本の伝統食文化を支える屋台骨であり、子供の味覚を育てる母の味です。
お母さんの愛情が子供を育てるように、だしは子供の身体を作ってくれます。ホッとする母の味。
まずはだしをとることから始めてみませんか?
乾しいたけ屋が教える おいしい戻し方
- 乾しいたけをさっと水洗いしてごみを除き、ひたひたの水につけます。
- 冷蔵庫に入れて一晩、じっくり戻します
※香りのもととなるレンチオニンという成分は、低温の水で戻す方が濃くなるといわれています。
戻し汁ごと保存容器に入れておけば、冷蔵庫で2~3日保存できますので、少し多めに戻しておくのもいいかもしれませんね。