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マクロビオティック 基礎講座

「マクロビオティック」というと単なる料理方法と思いがち。でももっと深い意味があるんです。長年マクロビオティックに携わってきた弊社スタッフ岸江治次が、その本質について紹介します。

プレマ株式会社
お客様コンサルティングセクション

岸江 治次 (きしえ はるつぐ)

2013 年プレマ入社。マクロビオティック活動歴を活かし、主に、商品の開発と営業に関わってきた。趣味は読書と映画、好きなジャンルはミステリー。最近のおすすめ映画は「ルーシー」。無双原理の時空の概念を捉えるのにマスト。

【Vol.87】マクロビオティック 基礎講座その6

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今回でマクロビオティック基礎講座は最終回となります。マクロビオティックの世界観や手当て方法などについて、弊社スタッフ岸江治次が解説いたします。

食は元気をつくる一番上等な医術
 今の日本の医療費は、50年前とくらべると、100倍以上にもふくれあがっています。人口は1.5倍でしかないのにです。医療が進歩しているように見えるのに、なぜ病気になる人が減らないのでしょうか。
 東洋医学には、「上医」「中医」「下医」という考え方があります。「上医」とは、健康づくりの土台を築くことで、病気になる前に食事や運動、薬膳などで養生することをいいます。一番上等の医術ということです。「中医」とは、「上医」を施しても具合が悪くなってしまったときの手当て方法で、漢方や鍼灸、アロマテラピーなど民間療法のことです。そして「下医」とは、病気になったときの最終手段で、外科手術や西洋医術による治療のことをいいます。
 マクロビオティックは、「上医」にあたります。実は西洋医学の始祖といわれるヒポクラテスも、人間の健康を保つのは「食」と言っています。この「上医」にあたる部分を、きちんとおさえることができれば、病気をもっと防げるのではないでしょうか。

世界は陰陽五行で成り立っている

横軸を関連づけてみていきます。たとえば肝の調子が悪いと怒が出やすい、また逆に怒は肝を害する、などと見ていきます。それぞれの臓器の調子が悪いときは対応する五味を少し摂ると活性化されますが、摂りすぎると毒になります。あらゆる要素が関連しあっているので、この表はあくまでも参考程度に。体調や食改善など、詳しくは専門家に相談しましょう。

 マクロビオティックでは東洋医学の「陰陽五行」という考え方が基本になっていますが、これを知っておくと、食や暮らしを整えるのにも役立ちます。
 古代中国では、万物を「陰陽」に分けて考えていたということは以前お話ししましたが、「陰陽」とは簡単にいうと、温める・冷やす、大きい・小さい、長い・短いなど、相対するものの調和によって世界が成り立っているという考え方です。食べ物も、陰性と陽性とに分けることができます。マクロビオティックの食事では、この陰陽のバランスをとる食べかたが大事だとしています。
 そして「五行」とは、万物は「木・火・土・金・水」の5つの要素から成り、それぞれ影響しあっているという考え方で、「五行の色体表」で表現され、症状の診断などに用いられます(表1)。同じ要素に当てはまるものは、関連性があります。たとえば、春は肝臓に負担がかかりやすく、夏は心臓を壊しやすい。秋は肺と大腸の働きの変わり目で、肺が弱い人は秋に症状が出やすい、などとみていきます。

症状は治癒力のあらわれ

 またマクロビオティックでは、東洋医学と同じように「症状=からだの治癒過程」という考え方をします。たとえば、熱が出たり、吐いたり、下痢をしたりすることも、それは不快な症状ではあるけれど、同時にからだが自ら治ろうとしている働き……つまり、自然治癒力の発露だと考えます。症状をただ抑えようとするのではなく、そうなってしまった原因をみて、根本的な解決を目指します。
 マクロビオティックでは、ちょっとした不調時に使える手当て方法も充実していますが、これも症状を抑えるのではなく「症状をよりよく経過する」方法です。野菜を使ったシンプルなものなので、誰でも手軽にできるのがいいところです。
 たとえば、梅しょう番茶(プレマオリジナル『ぬくもりめぐり茶』)を飲んだり、しょうがシップ(表2)でおなかをあたためたりすることで、胃腸の働きがよくなり冷えを解消してくれます。また夏の冷えは秋冬に毎日お風呂に30分間しっかりつかることで解消され、それによって春の花粉症も軽くなります。本葛を用いた葛湯、または葛を入れた梅しょう番茶を飲むと、胃腸の調子が整います。胃腸は、エネルギーをつくり、それをからだ全体届ける役割を担っています。何か不調を感じたら、まず胃腸を整えて大事にすることを考えるとよいと思います。

生命誕生の歴史と胎児の発達

 マクロビオティックは、何でも根本から見つめていくことにも特徴があります。人のからだや健康を理解するときにも、そもそも人間がどう進化して今のからだになったのかをさかのぼって考えていきます。
 はるか昔、地球に水があらわれ、その水の中から生命が誕生しました。はじめて生まれた生命は単細胞で「スピルリナ」といわれるものです。それが植物と動物に分かれ、それぞれ発達していきます。動物のほうは、最初はミミズのような単純な生き物に発達したようです。からだの中が空洞で、食べ物を吸収する腸だけがある生き物です。今、さかんに腸が大事、といわれていますが、もともと生命が誕生したときに最初にできた臓器は腸です。だから、健康を守るためには、腸の調子を整えることが第一と考えるのです。おなかが痛いと何もする気が起きないですよね。どんなにきれいな花を見ても、「わあ、きれい」なんていう気持ちになれないでしょう? それを考えても、やはり腸は、生命にとってとても重要な部分なのだと感覚的にわかります。こんなふうに、物事の根本を探っていくと、いろいろなものが見えてきて、おもしろいものです。
 ところで、みなさん、自分の幼い頃の記憶は、どのくらいまで覚えているでしょうか? 人それぞれかと思いますが、記憶をさらにさかのぼっていくと、わたしたちはもともと、精子と卵子が出会って生まれたひとつの細胞に行きつきます。それが分裂、成長して今の自分があります。この細胞の分裂過程と、先ほど少しお話しした、生命誕生の進化の過程は相関関係にあると考えられています。生命の進化の歴史が、胎児が発達して産まれてくるまでの「10月10日(とつきとおか)」に凝縮されているのです。
 妊婦さんのおなかの中では、短期間にめまぐるしい変化が起きているので、妊娠中に極端に生理機能を乱すようなものを食べると赤ちゃんに影響を与えてしまいます。今、遺伝子組み換え作物など、わたしたち人類にとって未知の食べ物が出てきている時代です。その影響がどのように出るかは、まだはっきりとわかっていませんが、食べ物の影響がいかに大きいものかを改めて考え直す必要があるでしょう。

元気になったら周囲にもおすそわけを

 このように、マクロビオティックには、病気の予防や症状を改善するための智恵もありますが、「病気が治ったあと、どう生きるか」についての問いかけもあります。元気になった分、そのおすそわけを、周囲へしていくことが大事だと考えるのです。自分がしあわせになり、身近な人もしあわせになって、それがまた広く伝わっていき、やがては世界全体が平和になるという考え方です。これはひとことでいうと「仁」(思いやり、やさしさなどを意味する)。人として一番大事にしなければならないものです。それをサンスクリット語では「プレマ」といいます。
  さて、今回でこの講座は終了となります。全6回でマクロビオティックの基本をご紹介しましたが、これをきっかけに、マクロビオティックに興味をもち、健康づくりに役立てていただければと思います。ありがとうございました。

- マクロビオティック 基礎講座 - 2014年12月発刊 Vol.87

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