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隊長が行く!

【Vol.31】プレマ株式会社創立10周年記念インタビュー【後半】

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中川信緒 おかげさまで弊社は、平成22年2月に創立10周年を迎えました。これもひとえに皆様のご支援のたまものと深く感謝しております。皆様とともに駆け抜けた10年を振り返りながら、また新たな10年にはせる想いを、弊社代表の中川信緒が語ります。


山下
 お客様と私たちの関係はどのようなものだと考えていますか?

中川
 以前、何かの打ち合わせのときに山下さんは、「空白にも意味があって、ちなみに本店のトップページは木目を外せば空白だらけです」といったことがありますね。面白いことをいうなと思いながら話を聞いていたんですよ。

 我々がウェブページやニュースレターで伝えるものは、「大きな空間にある多数の点」のような存在といえるでしょう。その多数の点のまわりを埋めるのはお客様の深い意識であり、あるいは言語化しきれない我々の意識でもあります。すごく抽象的ですが、このようにして空間を埋め合うのが、お客様と我々との関係であるように感じています。その空間とはまさに無形のエネルギーというか、宇宙のなかの星と星のあいだの空間、原子における原子核と電子や、原子同士の相関関係のようなイメージですね。

山下
 私たちが埋めていくものとお客様が埋めていくもの、それぞれをもしも言語化してみたら、まったく違うものである可能性はありませんか?

中川
 違っても構いません。伝えきれないもどかしさを感じつつも、「あとはお客様に委ねよう」と残した空白もあれば、受け手側であるお客様ご自身が創造なさる部分もありますからね。ただ、本質的にはいずれも同じものであるはずだと私は信じています。

 たとえば子育ての話を取り上げてみたとしましょう。子育ての方法や考え方はみなそれぞれ違いますよね。だからこそ、空間を埋める何かが人それぞれあるわけですが、その根底にあるものは本質的に同じだという信頼感をもっています。その同じものはなんですかと聞かれると、また簡単には言語化できませんけれどね。子育てならば、「子への愛情」みたいなものかもしれませんが、そう言葉にした時点で、ほら、ものすごく小さなものになってしまうでしょう。

山下
 確かに。限定されますね。

中川
 そう、限定されてしまいます。もしかすると愛情ではなく、異なる魂が一緒に生きるということかもしれません。あるいは、お互いの成長を観察し合うことなのかもしれません。延々、いい尽くせない何かがあるんですよね。だからこそ、人それぞれの空間を埋めるものは違うもののようでいて、実は共通する何かがあるのではないかととらえているのです。

 つまり、我々の意識の下に共通意識があると私は考えていますが、普遍的に誰もがもっている意識にいつか、お客様もたどり着くし、我々もたどり着く。それを我々は、「気づき」というひと言で表現しているわけです。

 気づきが起こる状況も、人ぞれぞれ違うようでいて、実は一緒だと思っています。ひとりひとりはバラバラのようでも本当は一緒。それがお客様と我々の関係なので、お客様と我々は一体です。つまり我々が成長すればお客様も成長します。我々の成長とは業績のことではありません。プレマという会社を構成するスタッフひとりひとりの内的成長が、お客様の内的成長とイコールだということを、次の10年で実証していくことがこの会社でできるならば、とてもおもしろいことですね。

 山下さんのような働きかたもある。パートさんであれ社員であれ、雇用形態にかかわらず、やりたいと思ったことは全力で取り組んでもらえる。それぞれが会社を構成するメンバーである以上は、ひとりひとりの成長が、会社にとって、さらにはお客様の成長にとって、まったく同じ貢献をします。お客様も然りですね。1000回利用して下さる方も、今回初めてご縁をいただいた方も、本質的には同じ。もちろん、その関係をさらに深めるには時間が必要ですが、本質は何も変わることはありません。

山下
 言葉にしきれない深い関係があるのですね。

中川
 残念なことに、世の中の多くの会社はそのことに気づいていません。あれこれと策を練って顧客との関係を築こうとしますが、もっと深いところでつながろうとするのは、実はそんなに難しいことではないはずです。そこにお金をかける必要すらないのです、なにしろ、意識の方向性だけで可能になるのですから! ただし、それがどれだけの収益につながるかというのは、まったく次元の違う話です。業績は、もしかするとあがるかもしれないし、あがらないとしても質的に進化していくことになるでしょう。それを証明していく、そういう夢が我々のこれからの10年にはありますね。

最後に中川信緒より
 弊社とお客様との関係は、表面的には「私たちは信頼できる素晴らしい商品をお届けし、お客様には日々の生活の中でご利用いただく。」ということになります。しかし、私がずっと追求しているのは、商品を通じてお客様の生活を『深いレベル』でより豊かにすることだと思っています。モノは当然モノですが、それ以上の目に見えない思いを載せてお届けできるよう、微力ながらさらに努力を続けていきたいと決意しています。『深いレベル』とはどんな状態か、ということについて、今回のインタビューを通じて少し具体的に掘り下げてご説明することができたことは、非常に大きな慶びであり、スタッフとして働く全員にも、またお取引先にも、この10年の節目を通じての共通の価値観としてまいります。引き続きのご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

- 隊長が行く! - 2010年3月発刊 Vol.31

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