身体にも地球にも優しいオーガニックのアンダーウエア【Liv:ra】代表の小森優美さんにお話を伺いました。
「新萬葉染め」との出会いが新しいスタートの原動力に
【Liv:ra】(以下リブラ)を立ち上げたきっかけは東日本大震災。
それまで通販会社でファストファッションを扱っていたのですが、
食生活やライフスタイルが「エシカル(※1)」な方向に変わっていき、
それが仕事にも影響し、バランスが取れなくなっていきました。
それからまもなくして、これからのことを模索してあちこち旅している時期に、
高知県の「唐人駄場」というパワースポットを訪れる機会に恵まれました。
海辺で夕陽を眺めていたら、何かに導かれたように
「すべてをリセットして、オーガニックの洋服を作ろう!」と一念発起したんです。
そこからの行動はとにかく早かった。
いちばん大きかったのは、カワバタプリントさんとの出会いです。
「新萬葉染め(※2)」に巡り合わなかったらリブラは誕生しませんでした。
リブラは、最高級のオーガニックコットンを使用し
一枚一枚「新萬葉染め」で丹念に染め抜く職人さんたちの見事な手業があってこそ。
天然染料なのに、私が愛してやまないポップでカラフルな色味が実現できたのは、
工学博士の故・木村光雄先生とカワバタプリントさんの努力の賜物。
肌触りがいいのはもちろん、アロマやレメディのように
染料である草木の効能もあるのではないかと思っています。
自分が本当に好きなものだけを売るそれがお客様との距離を近くする
経営者として、これだけは譲れないと決めているのは
「自分が選ばないものは売りたくない=自分が本当に好きなものだけを売る」ということ。
それが、私にとっては一番重要なのです。
実は、以前、携わっていたファストファッションのWebサイトで
マイナスのレビューが次々に書き込まれるという出来事が起きました。
他社でも同じ物を扱っているのにも関わらず、自社だけが誹謗中傷を浴びる。
それは、エシカルな暮らしにシフトし始めたために、
私が商品に対して愛着が無くなったためだと、後に判明したんですね。
この経験で学んだことは、商品に対して愛情を持っているかどうかが、
お客様にも伝わるということ。
と同時に、商品の声に耳を傾けることも怠ってはいけないと思っています。
人間をはじめとした生物に命があるように、モノにもきっと生命が宿っている。
私はそう信じています。
洗濯機で洗濯するよりも、手洗いの方が色が落ちないのも、そのためではないでしょうか。
リブラの商品を本当に愛おしく感じます。
一つひとつの商品に込めた、たっぷりの愛情と心地良さを、
これからもお客様に届けていきたいですね。
※1「エシカル」:広い意味で、買い物を通じて社会貢献できる活動のこと
※2「新萬葉染め」:萬葉の色を天然色素によって短時間で再現できる全く新しい染色方