先日、第36回全国付添人経験交流集会に参加しました。
全国付添人経験交流集会は、毎年1回、日本弁護士連合会などが主催する集会であり、子どもの権利の分野に取り組む全国の弁護士が集まります。例年、2日間にわたって実施され、講演や報告、ディスカッションを通じて、全国の弁護士が経験交流をおこないます。
開催地は毎年異なっており、今年度の開催地は浜松でした。
今号は、今年度の集会の内容について、簡単にご紹介したいと思います。紙幅の関係ですべてのプログラムをご紹介することはできませんので、主に私が参加した分科会の一部についてのみ、ご紹介したいと思います。
いじめ予防授業の効果の持続
初日、全体会の後、3つの分科会が開催されました。私は、そのうち、埼玉弁護士会子どもの権利委員会が企画された分科会「学校のいじめ未然防止の取組といじめ予防授業の在り方―効果測定の結果を踏まえて―」に参加しました。
この分科会では、まず、埼玉弁護士会の鮎田謙一弁護士から、「学校のいじめ未然防止の取組といじめ予防授業の在り方」というご報告がありました。
私は以前、この連載で、弁護士が学校でいじめ防止授業に取り組んでいることや、授業の具体的内容についてご紹介したことがありましたが、鮎田弁護士のご報告は、授業の内容ではなく、授業の効果を持続させるという観点から、さまざまな実践例の紹介がありました。
一般に、弁護士が学校でいじめ予防授業をした場合、その瞬間は児童生徒らの意識に変化が生じますが、時が経つにつれ、その効果は薄れてしまいます。
例えば、学校でいじめを受けた児童生徒がいる場合、他の児童生徒の言動が重要であることが指摘されています。具体的には、いじめられた児童生徒がいる場合に、他の児童生徒が、これを単に傍観するのではなく、いじめを受けた児童生徒と話をしてなぐさめること、いじめを受けた児童生徒に寄り添う気持ちを表明すること、いじめた児童生徒と話をすること、担任に相談すること、現にいじめと考えられる言動があった場合にそれとなく話題を転換することなどの援助行動をすることが重要であることが指摘されています。そして、いじめ予防授業後は、こうした児童生徒の援助行動に対する意欲が向上するとのことですが、授業後の取組みがなければ、1か月程度でその効果が薄れるとのことでした。
そこで、いじめ予防授業の効果を持続させるために、授業後の取組みが重要になるわけですが、鮎田弁護士からは、学校側の取組みの具体例として、授業を受けた上級生が下級生に授業の内容を紹介する取組みや、学校の道徳などの授業でいじめ予防授業を振り返るといった取組み、いじめをテーマとして演劇を作る取組みなどが紹介されました。
また、弁護士側の取組みとして、授業を担当した弁護士が、授業後、授業を受けた児童生徒に対して手紙を書くという取組みや、弁護士が保護者に手紙を書くという取り組みなどが紹介されました。
交流の機会
集会は、ご紹介した分科会以外のプログラムも非常に充実しており、勉強になりました。
また、冒頭で述べたように、この集会には、毎年、全国の弁護士が集まるため、他の地域の弁護士と交流できることも、この集会の魅力です。年に1度この集会で顔を合わせ、互いの活動を紹介し合ったり、子どもの権利に関する想いを共有したりすることは、私にとって大切な機会となっています。
