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法の舞台/舞台の法

日常のなかにある法律問題踊る弁護士の活動報告

弁護士/舞踏家

和田 浩 (わだ ひろし)

1977 年新潟県柏崎市生まれ。京都大学総合人間学部卒業。弁護士として、さまざまな分野の事件に取り組んでいる。なかでも、障害者の権利に関する案件に多く携わっている。他方、舞踏家として舞台活動もおこなっている。福祉、芸術、司法の連携について、あれこれ考えている。
縁(えにし)法律事務所 
京都市中京区新椹木町通二条上る角倉町215
075-746-5482

夢は踊る

投稿日:

個人的な話で恐縮ですが、私は、夜、しばしば見る夢があります。それは、ダンスの公演当日であるにもかかわらず、作品の構成も振付も、衣装も音楽も、なにも決まっておらず、強い焦燥感に苛まれるという夢です。

私の記憶する限り、概ねいつも舞台に立つ直前で目が覚めて、危機を脱します。

なかなか苦しい夢であり、できればこのような夢は見たくないと思うこともありますが、他方で、繰り返し見るこの夢にはなにか意味があるのかもしれないな、とも思います。

夢の意味

私は夢の専門家ではないため、夢について論じることは到底できませんが、精神分析や心理学の分野において夢が無意識と関連付けられることは、広く知られていることだろうと思います。

では、私が冒頭で紹介したような夢を繰り返し見ることには、一体どのような意味があるのでしょうか。

専門家でない私の手に余る問いではありますが、素人なりに考えてみると、この夢は、現実に公演の機会が迫っているにもかかわらず、なかなか準備が進まない自分に対する警告の意味を持つのかもしれません。

あるいは、なかなかダンスの準備に時間が割けないことの慢性的な苦しみが、繰り返し見る夢の形で表出されているのかもしれません。

もしかしたら、夢のなかのダンスは、ダンスそのものというより、自由や創造の象徴であって、その夢により、私の日常生活に自由や創造が欠けていることが示されているのかもしれません。

ちなみに、このように書くと、私が常にダンスの夢に苦しめられているように思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。ときには舞台で颯爽とダンスをする夢を見ることもありますし、夢のなかで創作をおこない、それが現実の作品のヒントになることもあります。

いずれにせよ、私はダンスの夢を見ることが少なくないようです。

夢とストレス耐性

ところで、最近、著名な睡眠研究者の方が監修した睡眠に関する本を読んでみました。

その本には、夢はネガティブな内容を持つことが多いと記載されていました。そして、ストレスフルな夢を見ることによってストレスに対する耐性が高まると考える研究者がいることが紹介されていました。

私はそのような見解を初めて知りました。しかし、仮にこの見解に立つとすれば、冒頭で紹介した私の夢は、現実にダンスの準備がなかなか進まないことにより発生するストレスに対する耐性を高める機能を持つのかもしれません。

現実にダンスの公演当日であるにもかかわらず、作品の構成も振付も、衣装も音楽も、なにも決まっていないという状況に置かれたときに苛まれる焦燥感は、夢のなかで抱くそれを上回るとは思いますが。

夢と共感

ダンスからは離れますが、少し前に、私は、武力攻撃を受けている海外のある地域に自分が身を置く夢を見ました。そして、夢のなかで、私は、武力攻撃に怯える現地の子どもたちに寄り添っていました。

この夢にもまた重要な意味があるのかもしれませんが、ひとまず夢の意味はさておき、私はこの夢をみたことによって、武力攻撃を受ける地域の方や、攻撃に怯える子どもたちに対し、それまで以上に共感するようになった気がしています。

この経験から私は、夢には、他者と共感する能力を磨く機能があるのかもしれないと思うようになりました。

- 法の舞台/舞台の法 - 2026年6月発刊 vol.225

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