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楽だから自然なお産~高齢出産編~

出産・子育て・介護家族と向き合ういろんなお話

一般社団法人
日本マクロヘルス協会
理事

望月 索 (もちづき さく)

人一倍不摂生な出版仕事人が37 歳、40 歳、44 歳で出産、育児の経験も積み、健やかな暮らしについて学び合う協会の設立メンバーに。
編集、ライター、一般社団法人日本マクロヘルス協会理事。編著に『子どもを守る自然な手当て』、訳書に『親子で楽しむ!おむつなし育児』、『小児科医が教える 親子にやさしい自然育児』。
http://macro-health.org

多様性への配慮というなら

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産めても、休めない

出産については、ここ数年でずいぶん環境が変わってきました。出産費用の無償化が議論され、産み方の選択肢も語られています。一方で、産後についてはどうでしょうか。高校の学費無償化、多子(第3子以降)加算など、子育て関連の助成が増えてはいますが、ここで取り上げたいのは、「産後ケア」です。

出産後の母親は、体の回復期に赤ちゃんの世話をします。夜中の授乳や細切れの睡眠が続く大変な時期。今妊娠していて眠りが浅い人は、産後に向けた体の準備だとお気づきでしょうか。出産に伴う心身への影響は計り知れず、またその経過も人それぞれです。こうした多様な負担の軽減のために、現在では宿泊型やデイサービス型の産後ケア事業が広がっています。助産師に相談できたり、数時間でも体を休められたりする仕組みで、自治体によっては無償化や補助の拡充も進んでいます。とても心強い動きだと思います。

しかし、実際に使えるかどうかは、少し別の話でもあります。予約が取りにくい。どういう制度か、どんなメリットがあるのか、産むまでリアリティがなかったから、準備が間に合わなかった。施設が遠いから現実的じゃない。そうした声も少なくありません。

出産そのものは支えがある方向に進んでいるのに、産後については、個人の工夫や周囲の助けに委ねられている部分が大きいです。

実家に頼れる人でも、高齢出産の場合、親も歳をとり、頼りづらいケースが増えます。産婦自身も年齢のぶん産後の回復が遅い(これは本当に若いほうが有利)。出産年齢が上がっている今、産後のサポートまで準備しておくのは、妊娠中のタスクでもあります。ただでさえ出産準備で忙しいのに、産後のことは出生届のフローを調べるだけで手一杯かも……。産後パパ育休など夫婦単位での協働は見えますが、「産めること」と「休めること」が、まだうまくつながっていません。産後すぐ産院に「新生児を預けることが休み」ではないのです。

「余裕がある人」が前提?

産後ケアの制度を見ていると、もう一つ気になることがあります。それは、「支援を受けられる前提」に、ある程度の余裕が求められているように見えることです。妊娠中に産後ケアについて知らされていない人も多いです。大切さを知っていても、費用で断念するケースもあります。産後ケアの情報にたどり着き、申し込みの手続きを進めるといった、必要なタイミングで動ける余裕も必要です。出産直後の体と気持ちの状態では、それ自体が負担になることもあります。条件によって、同じ制度でも使いやすさは変わってきます。

産後ケアは「困った人が使うもの」と思われがちですが、本来は、特別な支援ではなく、当たり前の仕組みであるべきです。少なくとも今の技術なら、ユーザビリティを上げることはできるはず。出産の方法については「選べること」が少しずつ広がってきました。産むだけですごいのだから、「どう休むか」「どこまで頼るか」も無理なく選ばせてほしい。妊娠から産後ケアまで、出産の制度はひと続きでわかりやすくあるべきです。今妊娠中の人は、制度が整うよりお産のほうが早いですから、お住まいの地域の行政サービスや助成を調べて、次に民間のサポートを探してみてくださいね。時間的に難しければ、助産院に電話で相談してみてください。

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