サーフィンで海に入ると、自分がどれだけ周りに合わせて生きてきたかに気づく。波は、待っても、焦っても、怒っても、変わらない。結局、自分がどう向き合うかだけが問われる。そんな当たり前のことを、陸にいるときはなぜか忘れてしまうのである。
波を選ぶ瞬間は、人生の選択にすごく似ている。魅力的な波が来ても、今の自分に合ってなければ乗れないし、無理して行けば波に巻かれる。逆に地味な波でも、自分のタイミングと重なれば最高の一本になる。結局、自分に合う波を選ぶのが一番楽しく、一番長く続くのだ。
乗れなかった波をだれも責めないのもいい。悔しさや恥ずかしさは自分が勝手に作ってるだけで、海はただ淡々と次の波を送ってくれる。人生も同じで、失敗したからといって周りや世界は止まらない。次のチャンスはちゃんと来る。そこに気が付くことができる。
サーフィンをしながら見る朝日、雲の形、風の匂い、そのすべてが今日の海を作っていて、二度と同じ日はこない。人との関係も、仕事も、家庭も自分の気分でさえ同じで、コントロールしようとすると苦しくなるのに、流れに乗ると急に全部軽くなる。サーフィンはその感覚を体で思い出させてくれる。
そして海に入ると、どれだけ悩んでも波の前ではちっぽけだなと思える。だけど、そのちっぽけさがいいと思える。無理に特別な存在にならなくても自分は自分でいいやんって思える。ありのままで生きる勇気を教えてくれる。
いろんな海に仲間と出かけるたびに、その土地で食べるごはんが何倍もおいしく感じる。日本海で食べる海鮮や、伊勢や宮崎で食べるお肉や地鶏、どれも最高で、波に乗った後の空腹に染みるその味が、「来てよかった」「幸せだ」と思わせてくれる。
私がサーフィンで一番学んだことは、「がんばりすぎると沈む」ということである。力で押し切ろうとするとフォームも崩れて余計に乗れなくなる。自然体が一番最強なのだ。それは人生でもまったく同じで、気張りすぎたときほど空回りする。ちょっと余裕を残すのって、思ってるより大事なことに気づく。
サーフィンを通して思うのは、生き方って意外とシンプルで良いということだ。焦らず、自分の速度で、自分の波を探す。乗れたら笑って、巻かれたらまた浮かべばいい。海で何度沈んでも、必ず体は浮かんでくる。これは人生にも同じことがいえることだと、日々思う。
プレマルシェ・ジェラテリア
ジェラート製造担当
平 悠里子(ひら ゆりこ)
サーフィンと海外旅行が趣味の一児の母。お酒は飲めないが美味しいものが大好き。日常の小さな発見を楽しんでいる。人の繋がりを大事にし、ゆるーく自分らしくがモットー。
