娘がハロウィーンパーティーをしようと言い出しました。
なにが起こったんでしょう。今までハロウィーンの日になにかしたことはありません。クリスマスや誕生日ですら、パーティーといえるような素敵なイベントを開催したこともないのに。
「やらないよ、やりたきゃ友だちとどうぞ」と適当にかわしていたのに、娘ひとり、家族で開催する前提で楽しそう。ひとり一品は持ち寄る、または仮装する、というルールが制定されていました。
ハロウィーンに限らず、このところ、娘がいつになく、ベタベタしてきて、どうでも良い話をお喋りしにきます。同級生の美容整形の話とか、アルバイト先の店長の失敗話、性格診断に、一番好きな食べものの話、行きたい国などなど。
一応、来年の春で大学を卒業する予定の娘。そんなことより、4月からどうするの? 他に聞きたいことがたくさんあるんですけど……。
親が介入する問題ではない。自分から話しにくるまで口を出すまいと、聞きたいことはのみ込んで、こらえてきました。
そんな葛藤を知ってか知らずか、今度は抱きついてきて「赤ちゃんのにおいがする」と大騒ぎ。娘のベタベタが最高潮に達し、そこでニブイ母は気付きました。ああ、やっと決まったか。
のらりくらりと就職活動をしていた娘。紆余曲折あったようですが、最初に関心のあった、介護の分野を選んだそうです。
仕事の内容がハードな印象の強い介護の世界。心配はつきませんが、自分で進む道を定めてくれて、ホッとしました。
その会社にお世話になるとすれば、どこに配属されたとしても、春からはひとり暮らし。
こちらの心の準備が整わない一方で、娘は娘で思うところはあるのでしょう。
唐突なハロウィーンパーティーも、受け入れる気分にもなります。
ひややかに傍観していた夫や息子も、娘の圧力に脅え、なにを持ち寄るか、こっそり相談しにきます。
結果、各々がやり過ぎて、夫はホールのケーキを買ってくるし、息子は仮装(薄着)して風邪をひく始末。
内定をいただいたことは、まだ私しか知りません。娘が家を出たとき、夫は、この夜のことを思い出して泣くことでしょう。
お客様サポートチーム
坂井 歩(さかい あゆみ)
寒いと1週間の半分はナベ。家族からリクエストされるので、手抜きじゃないですよ。なにを入れるかよりもベースの味をなににするかが楽しい。でも翌日のお弁当に横流しできないのが残念。
