自分を責める、ということをよく考えてみましょう。自分が悪い、と心の底から同意している人は「自分はダメだ」とは思いません。根っからの悪人は「私、悪い人間ですけどなにか?」です。自分を責める人は、自分は「悪い人間ではない!」「良い人になりたい!」と思っている、本当は良い人なのです。自分のことを大好きになりたい、自分のことをあきらめられないんです。だから自分を責めて、嫌いになって、もっと頑張れと自分をむち打って、無理をして……もう無理がきかなくなり、体に症状が出て、病院に来るんです。
自分を責めるのは、自分に期待している証拠です。「本当は自分を好きになりたい!」という心の叫びです。ただ、自分を裁く基準(マイルール)をもっていて、それをクリアしないといけないと思っています。クリアできないと「どうせ自分なんてダメなヤツだ」という罪悪感をもちます。この基準は、何度か説明ましたが、母親の価値観でできています。詳しくは12月・1月号の「反抗期1・2」に書きました。これは、生きづらさを感じているすべての人に向けて書きました。反抗期という題名で、自分には関係ないと思っている方は、先入観なしに読んでみてください。そして、「お母さん大嫌い」「くそばばあ」と言ってみましょう。
本当は大好き
実在の母を嫌いになり、縁を切りましょう! ということではありません。大嫌いと言ってみると、込み上げてくる思いがあります。過去に我慢してきた自分の本音です。ときどき、自分のやりたいことがよくわからないという方がいますが、今まで我慢しすぎて、本音を出せなくなっているのです。それを思い出すために、言ってみてください。
「お母さん大嫌い!! だってあのとき、私は本当は……」あのおもちゃがほしかった。あそこに行きたかった。あの洋服を着たかった。あれ(遊び・スポーツ)をやりたかった。皆が観ているテレビ番組や映画を観たかった。マンガがほしかった。ジャンクフードを食べたかった。勉強したくなかった。あの習い事は嫌だった。お手伝いをイヤイヤしていた。バンドをやりたかった。夜遊びしたかった。あの人と付き合いたかった。あの学校に行きたかった。あの仕事をしたかった。お母さんに褒めてもらいたかった。かわいいね、大好きだよって言ってほしかった。無条件に愛されたかった……など。こんなに本音を我慢してきたのです。そして、「私こんなに頑張ったんだよ」ということを、お母さんに認められたかったのです。なんでわかってくれないんだよぉ! お母さん!! 涙も鼻水もよだれも気にせず、全部吐き出しましょう。その裏に、本当は「お母さん大好き」「自分のこと大好き」が隠れています。
自分を責めるとき、インナーチャイルドの視点で見ると、大人の自分が子どもの自分を責めています。大人の自分は分別があり、常識的です。子どもの自分を見下して、もっとちゃんしなければいけない、もっといい子にならなければいけない、もっと頑張れと、いつも自分を監視しています。ちゃんとできない自分が嫌で、自分のことを嫌いだと思っています。一方、子どもの自分は、本音の自分です。お母さんの言うことを聞かないといけないと、ビクビク、オドオドしています。
お母さんの代わりに、インナーチャイルドを思いきり甘やかして、大好きだよって言ってあげましょう。本当はしたかったことをさせてあげましょう。夜ふかしして、好きなテレビを観て、ジャンクフードを食べて、朝寝坊して、部屋を散らかして、一日中パジャマで過ごして……。インナーチャイルドが満足すると元気がでます。それから、今の自分が本当にしたいことを探してみましょう。今度は間違えないように!! 大人の自分ではなく、インナーチャイルドが笑顔になることを選びましょう。大丈夫、絶対見つかります。