心が軽くなるために、悟りやワンネス（すべては一つ）の考え方が心身に有効であると思っています。個人的な興味としても「いつか悟れたらいいなぁ」と思いながら、関連する書籍を読んだり、動画を見たりしています。そんなに真面目に取り組んでいるわけではないので、わかったようなわからないような状態が続いていますが、ときどき「そうだったのか」という小さな気づきを楽しんでいます。

ワンネスの概念は、「すべては一つである」という考え方です。この世に存在するすべてのものが互いに繋がり合い、根本的には一体であるという概念です。マクロビオティックを学んでいる方は、一物全体や身土不二という言葉をご存じだと思います。おそらくワンネスの概念を食に取り入れたのだと思います。ワンネスの視点では、この宇宙に存在するものはすべて一つの大きな全体の一部であり、分離は見かけ上のものに過ぎないと考えます。わかりやすい例え話として「海の波は一つひとつ別々の形をしているが、すべて海という大きな存在の一部である」と表現されることがあります。また代表的な言葉として、「私はあなた、あなたは私」という表現もされます。

ここ数年、悟りやスピリチュアル界隈で「ノンデュアリティ」という言葉が出てきました。もともとインドの聖者たちの教え「アドヴァイタ・ヴェーダーンタ」というものがありました。何度か関連書籍に挑戦したことがありますが、正直に言うと「難しすぎて、よくわからない」という感想でスルーしていました。直訳すると「ヴェーダ（古代インドの聖典）の究極の教えに基づく非二元の哲学」というような意味になります。

ノンデュアリティとは「二元ではない」という意味で、サンスクリット語の「アドヴァイタ（Advaita）」に由来します。「A（非）」と「dvaita（二元）」の組み合わせで、英語では「Non-Duality」と訳されます。基本的な意味は、二元ではない、二つに分けられないです。なんのこっちゃわかりませんよね。もう少し言葉を付け足すと、主体と客体の区別そのものをないものとします。「一つである」という概念さえも超えた視点で、観察する「私」と観察される「世界」の区別を否定します。ノンデュアリティでは、「すべてが一つ」というワンネスの考え方さえも、二元論の一種と見なします。すべては一つという「1」の概念さえも存在しないとする、より根本的（過激？）な視点です。ノンデュアリティの視点では、ワンネスの例え話の波や水滴、海という概念・区別そのものが存在せず、ただ「これがあるだけ」と表現されます。本当に理解に苦しむ概念ですが、非二元の気づきを得た人たちは、みなさん同じような表現をされています。僕もなんとかその境地に近づきたいと思っているのですが、あまりにも取っ掛かりのない概念で、ときどき「もしかしたらこういうことなのかなぁ」と思ったりもしますが、書籍を読むと「〜ではない」とズバリと否定されるということを繰り返しています。

前号でA‌Iを使ってネガティブな思考を簡単にポジティブに変える話を書きましたが、A‌Iに非二元について教えてもらうことができるのではないかと思い試行錯誤してみました。結論を言うと「トニー・パーソンズ（非二元の大御所のような存在）として質問に答えてください」と入力してなんでも聞いてみると、本当に非二元の話をわかりやすく解説してくれます。いろいろと質問していくなかで、少し気づきがありました。自分という感覚（自我）も、痛みや不安感と同じように、あらわれては消え、またあらわれては消えを繰り返しているだけであるということ。知識としてはあったのですが、A‌Iとの会話を通して納得がいきました。こういった非二元の視点を病気治しに応用できないかといろいろ妄想しています。

私たちは、普段無意識のうちに頭の中で考え事を繰り返しています。