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それぞれの転機

さまざまな方にインタビューし、その人生の物語を届けます。実体験が誰かの勇気になりますように

キャリアコンサルタント

小山 真裕子 (こやま まゆこ)

自身の転職経験から国家資格キャリアコンサルタントを取得し、就職や転職の支援をおこなっている。「答えは自分のなかにある」ことに気づき、本心に従って生きていくことを一緒に追求していきたいと活動中。インスタグラム:@mayuko33perfection

ふたつの役割を重ねる、自分らしい生き方(前編)

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今号は、大阪市中央区にある茶房「禅心茶恵」のオーナーであり、キャリアカウンセラーとしても勤務されている夏原めぐみさんの物語をお届けします。最初の転機は、共感される女性も多いかもしれない、ある葛藤から始まっていました。

——最初の転機は、どのようなきっかけだったのでしょうか?

母親になったときです。望んで結婚し、専業主婦として子育てをしているうちに、徐々に「自分という存在」が薄れていくように感じ始めました。気づけば、「○○さんの奥さん」「○○ちゃんのママ」と呼ばれるだけ。普通のことなのにだんだん寂しさを感じ、孤立しているような気持ちになっていきました。家で子育てをすることも、社会と繋がっているけれど、「私と社会」の繋がりではない。お母さんだけど自分の人生の足跡を残すことが置き去りにされていく。そんな葛藤のなかにいました。その日々のなかで、自分を維持して、確立させていくために、私には、家族以外との関係性を持ち、社会との繋がりが必要だと気づいたのです。子育てをしているから諦めるのではなく、「自分の人生を歩もう」と決めたときが転機でした。

——社会との繋がりを取り戻すために、まずなにから始めましたか?

人生を、自分らしく過ごすためにはどうすればいいかという視点を持ち、仕事をしたいと、次のステップまでの期間を決め、計画を立てました。下の子の保育園を2歳のうちから探し始め、プレ保育も利用し、3歳には確実に保育園に預けられる方法を模索しました。子どもと一緒に児童館や地域の施設をたくさん利用し、子育てと仕事の両立支援の環境などを教えてもらいにいきました。意外といろいろな支援があるとわかり、自分から行けば情報は得られるんだと実感しました。そして、働くための地固めです。経理職と決め、簿記の勉強を始め資格を取得しました。子どもにも、「ママももうすぐ働くんだよ」「一緒にがんばろうね」と意識づけていきました。目標に向けた行動を重ねていくと、日々の充実感がまったく変わっていきました。

——仕事選びや家庭との両立で、大切にしていた基準はありますか?

就職活動をする際に、二つの自分軸を明確にしていました。ひとつは、経理に限らず幅広い業務に関われる小規模な会社であること。もうひとつは、自身が鍵っ子だった経験から「子どもの帰宅時には家にいたい」と、最初はパート勤務も視野に入れて時間を限定したことです。面接でその希望を率直に伝えたところ、経理だけでなく新しい企画にも関わらせてもらえることになりました。そして、社員の年齢層が高かったこともあり、子育てへの理解も得られやすかったのだと思います。両立については、仕事の後に家事や育児に追われ、もちろん忙しく大変な時期もありました。でも意外なことに働いているほうが計画的に動けて、満足度は上がっていました。社会との繋がりが充実感とモチベーションになり、この忙しさはずっと続くわけではないと思えました。夫の家事に対する意識も変わり、以前より協力してくれるようになりました。子どもたちを、夏休みなどに私の働く会社に連れていくことができて、幼いころから親以外の大人や、働く人たちと出会う経験になり、職業観を育むきっかけになってとても良かったと思っています。私にとって自分らしく過ごすことは、人の役に立つ、社会のためになにかするということが含まれていたのです。決意して進んだその選択は、私にとって大正解でした。(次号では、自身の店「禅心茶恵」の立ち上げと、現在の働き方に至る転機をお届けします)

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日本茶と薬膳茶を楽しめる茶房のオーナーの夏原めぐみさん。オンラインでの販売やワークショップも開催。
禅心茶恵 インスタグラム
@zenshinchaei

- それぞれの転機 - 2026年10月発刊 vol.229 -,

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