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オディの農業日記

羽鹿 秀仁 (はじかひでひと)

サラリーマン、経営コンサルタント、青年海外協力隊の隊員として中米のニカラグア、パナマで5年間活動後、ネットワーク『地球村』というNPO団体のスタッフとしてアフガニスタン支援に3年関わり、2006年から三重県名張市赤目で農薬を使わない農業を始める。

【Vol.24】オディの農業日記 第17回

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【草取りの日々】
 暑い日が続きますが、皆さん体調を崩されたりしていませんでしょうか?
夏の時期、農家の一番の仕事は田んぼや畑の草取り。日中は暑いので、早朝や夕方、涼しい時間帯に草を取っ ていきます。涼しいとはいえ気温は25度以上、体を動かしているので体感気温はもっと高くなります。これに梅雨時は蒸し暑さ、夏は強い日差しが加わります。またアブややぶ蚊の対策のため、長袖、長ズボンで動くことが多く、これまた暑い。夏の間に体重が5kg以上減る農家の方も多いようです。

 でも草取りはとっても大切な作業。そして終わったときの充実感もひとしお。雑草がなくなった田んぼや畑を見ると、稲や野菜が喜んで、生き生きと復活した感じになります。
こうした作業をしているときにいつも思い出すのは仙桂和尚さんのお話です。
生きとし生けるものすべてを大事にして、子供たちやたくさんの人に愛された和尚さん、良寛さんが倉敷の円通寺で修行していたときの兄弟子が仙桂和尚さんです。

 仙桂和尚さんは円通寺で30年以上過ごしていましたが、その間一度も座禅を組んだり、信者の方に説教をすることがなかったといいます。仙桂和尚さんはただひたすら畑で野菜を作ってその野菜を料理してみんなに食べてもらうことを続けていたそうです。良寛さんは一緒に修行している間、この兄弟子のことをほとんど評価していなかったようですが、修行を続けるにつれ、この仙桂和尚さんのすごさがわかったといいます。

 100万遍の説法よりもまず自分が実践すること。

 仙桂和尚さんは自分が仕事としている野菜を作ること、それを料理してみんなにおいしいものを食べてもらうこと、それを徹底的に実践することで周りの人たちに大きな影響を与えていたということに良寛さんは気づきました。仙桂和尚さんから実践の大切さを学んだ良寛さんは、愛語(いつも暖かく愛のある言葉を使うこと)を使うことを続けたそうです。

 私の夢は農業を通じて自然と調和して生きること、物を作る大切さ、自分で自立していくことの楽しさを、そして家庭生活を通じて家族(今はまだ嫁さんしかいませんが)の大切さ、一緒に何かを作り上げていく喜び、みんなで仲良くすることを実践し、そのことが幸せな社会を作る基本であるということを伝えていく、いや、周りの人に伝わっていくことです。まだまだ道は長いですが、少しずつ地道に実践して行こうと思っています。

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- オディの農業日記 - 2009年8月発刊 Vol.24

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