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オディの農業日記

羽鹿 秀仁 (はじかひでひと)

サラリーマン、経営コンサルタント、青年海外協力隊の隊員として中米のニカラグア、パナマで5年間活動後、ネットワーク『地球村』というNPO団体のスタッフとしてアフガニスタン支援に3年関わり、2006年から三重県名張市赤目で農薬を使わない農業を始める。

【Vol.38】オディの農業日記 第31回

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【イノシシにやられました】

 皆さん

 今年の夏の猛暑で体調など崩されませんでしたでしょうか?

 お米作りも天候不順でかなり苦しめられましたが、最終的には何とか平年並みの収穫までこぎつけました。しかし、プレマさんで毎年販売していただいている黒米がイノシシに食べられて全滅してしまいました。オディの黒米をご購入いただいている皆さん、本当に申し訳ございません。

 実は去年までも多少の被害はありましたが、進入路を見つけてネットを張れば十分防除できたのが、今年は何度対策をしても破られてしまいました。山に食べ物が少なくなっているのでしょうか?

 今回、イノシシの被害を受けて、日本の農業、特に山間部での農業が危機的状況にあることを実感しました。また今年の夏、岡山、栃木、茨城県に行って農家の人と話す機会があったのですが、すべての地域で過疎高齢化が進み、採算の悪化と、働き手の高齢化、獣害などで農業や林業が衰退していることを見聞きしました。私が農業を営む名張市赤目エリア(大阪まで電車で1時間程度)でも農家の高齢化は進む一方。特に、作業がしにくく、イノシシ、鹿、サルなどの獣害もある山間地の農地はどんどん放棄されています。

 農水省の発表によると日本の農・林業が果たしている多面的価値を金銭評価するとなんと年間78兆5千億円にも上るそうです。実際の農業生産額8兆5千億円、林業生産額4千億円の10倍近い価値を生み出している計算になります。
農林業が果たしている主な機能は土壌浸食・表面侵食防止、水質浄化、水資源の保持、洪水防止・緩和などですが、その機能の大きな部分を山間部の農地や森林が果たしています。しかしその山間部の農・林業の疲弊は激しく、あと10年も経つとかなりの部分が放棄されるのではないかと思います。

 これまで何百年もかけて作り上げた農地や山林は、一度失ったら復活させるために途方もない時間とお金がかかります。とはいえ私も獣害を受けながら山間地でのお米作りを続ける自信はありません。

 今、日本全体で本気で、中山間地の農業・林業、そしてそれを支えるコミュニティを守っていかないと、このままでは美しい日本の国土はとんでもないことになるかもしれません。自然と調和して生きる知恵と心を持った日本人とその風土をはぐくんだ国土、何とか守っていきたいと思います。

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- オディの農業日記 - 2010年10月発刊 Vol.38

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