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オディの農業日記

羽鹿 秀仁 (はじかひでひと)

サラリーマン、経営コンサルタント、青年海外協力隊の隊員として中米のニカラグア、パナマで5年間活動後、ネットワーク『地球村』というNPO団体のスタッフとしてアフガニスタン支援に3年関わり、2006年から三重県名張市赤目で農薬を使わない農業を始める。

【Vol.37】オディの農業日記 第30回

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【お米の値段】
 今回はお米の値段について考えたいと思います。

 今、スーパーでお米は安いものであれば5kg 2,000円ぐらいで買えます。1kgは約7合なので1合当り(お茶碗2杯分位)57円。お茶碗一杯で29円の計算になります。

 この背景には生産原価1kg 240円(肥料、農薬、機械代、燃料代等、そしてほんの少しの人件費)のお米が農協などに1kg200円で売り渡されている現状があります。

 ではなぜ原価割れしてまでお米作りを続けるのでしょうか?

 「ご先祖様から受け継いだ田んぼを守りたい」

 「せっかくトラクターなどの機械を買ったのでそれが壊れるまでは農業を続けよう」

 「もう高齢だから新しい仕事はできない。これまでどおりお米作りを続けるしかない」

 ほとんどの農家が歯を食いしばってお米作りをしています。残念ながら未来に向けての展望を持って農業に取り組める環境にはありません。そして農業に携わる人は減り続け、放置される田んぼがどんどん増えています。

 そしてこうした環境の下、産地偽装や有機表示の不正が行われ、問題となっています。

 例えば日本一のブランド米、魚沼産コシヒカリは実際の生産量の何倍もの量が流通しているそうです。消費者のブランド信仰、流通業者の利益第一主義、生産者や流通業者が再生産できない市場価格などなど。いくつかの悪質なケースはニュースになりますが、問題はますます複雑になり、手口は巧妙になってきているようです。

 理想は生産者と消費者のお互いの顔が見える関係。

 「あの人に食べてもらうのだから頑張って安全で美味しいものを作ろう。買っていただいてありがとう」

 「あの人が心を込めて作ったものだから、あの人の生活が成り立つような適切な価格で買わせてもらおう。作っていただいてありがとう」

 こんな形で生産者と消費者が直結する関係が理想ですが、今の日本の状況では難しい面もあります。プレマさんのような心ある流通業者が、生産者一人ひとりと会って話を聞いてその想いを紹介しながら適切な価格で販売を行う(もちろん、流通業者としての適切な利潤を確保していただいて)、これは食品流通のひとつの理想の形だと思います。

 そして何時の日か、お金での売買でないもっと心と心が触れ合うような流通制度が出来て欲しいと願っています。

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- オディの農業日記 - 2010年9月発刊 Vol.37

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