「自然の中に答えがある」マクロビオティックを学んでいくと私たちに真実の答えを導き出してくれるのは自然界だということがわかってきます。私自身もいつも「先生は自然界」と思い、何かに迷ったりわからなくなった時には空を眺めたり山を眺めたり。日常の生活の中では野菜たちを観察することで色々なことを教えてもらっているように思います。
科学を研究している生徒さんが、「科学者はいかに自然に近づくものが作れるかをいつも追及しているのです。自然が私たちに用意してくれているものがやっぱり最高ということなんです」と教えて下さいました。私たちは全てのものを自分たちが作り出したかのような錯覚につい陥ってしまいますが、実は自分たちで作りだしたものは何もなく、今までの歴史の繰り返しの中で自然が用意してくれたものを、反復しながら螺旋状に進化させてきたというのが正確なとらえ方なのかもしれません。
大阪の町の中に山里をイメージした空間を作り上げたお店「割烹NAKA」は自然をお手本とした小宇宙です。自分たちが作りたかったお店というよりは自然が教えてくれたことを表現し続けた結果、出来上がったお店というのがふさわしい表現かもしれません。お店の前にはお料理のあしらいに使えるものを基本とした木々や、季節を感じる花が植えられています。きっとそれは山の中に入ると目にすることができる景色です。そんな小さな庭がお客様をお出迎えします。そこに飾られている石積みは、お漬物の石を重ね、池に見立てたものはお餅をつく石うすでできています。昔、人は自然の中から色々な道具を見つけ出したのでしょう。それをより使いやすく工夫し、今の道具へと変化させたのでしょうね。
「お料理は命を創る芸術」という素敵な言葉がコンセプト。そのコンセプトを、日本中の山々から送られてきた素材がより素敵な状態になるお手伝いをするという気持ちでお料理に向き合うことで表現する場所となりました。空間の中に集められたものは、お料理をする道具、盛り付ける食器、最後のお茶をいれるお湯にまで、最高の振動を持つものだけを選び続けています。
贅沢を感じるその空間は実は自然界が私たちに教えてくれている姿のように思います。多くを持たず、一番いいものを選択する。シンプルだけど豊かさを感じる。これがマクロビオティックが教えてくれている生き方のように思います。そして大切なことは自分たちが選択した結果が自分の人生に反映されていくということです。だから皆様には食べる物の持つ意味やその力について知って欲しい、感じて欲しいと思いながら毎日お料理を作り続けているのです。
中 美恵
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中美恵
中美恵(なか みえ)氏 KII認定 マクロビクッキングスクール校長 東京南青山プライベートサロン Mie’s Room 主宰 1997年に、KII認定マクロビオティックカウンセラー・中広行氏と出会い、料理法や理論を学び始める。 2000年「おいしく、楽しく」をテーマにした「マクロビクッキングスクール」を大阪に開校し、全国に展開。現在は料理に留まらず、マクロビオティックに出会うことで多くの可能性を手に入れた自身の経験を活かし、「年を重ねるごとにキラメキを増す」「今の時代に望まれる素敵な女性」をテーマに、多彩な場面で活躍中。 中美恵公式サイト https://miesrecipe.jimdo.com/ >> |