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野村隆哉先生より

【Vol.43】口蹄疫と鳥インフルエンザのお話

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はじめに

 今回は本紙「月刊らくなちゅらる通信」の編集子から、読者の希望で表題についていろいろ知りたいとのこと。ドラエモンの何でも出てくるポケットのように答えが簡単に出てくれば万々歳だが、このテーマの解決は現代の物質文明、科学文明万能社会が作り出した人間本位主義の暗部と深く関係しているため途方もなく厄介である。
口蹄疫と鳥インフルエンザの背景にあるのは欧米諸国の肉食文化の世界的拡大であるが、これについてアメリカの優れた文明評論家であるジェレミー・リフキンが著わした「脱牛肉文明への挑戦」原著名”Beyond
Beef” The Rise and Fall of the Cattle Cultureにおいて、彼が日本語版(1993年)の序文として寄せた文章を引用させてもらおう。

 『欧米植民地主義諸国は肉食文化の国々であった。今日、牛肉の大量消費は、環境、経済、飢餓、健康にますます大きな影響を及ぼし、人間文明の将来を脅かしている。世界の経済力が欧米から日本とアジアに移るにつれ、不幸なことに、牛肉文化も極東に向かって歴史的な移動を始めている。日本の牛肉消費量はこの15年間に3・5倍に増加した。1989年に、マクドナルド・ハンバーガーの東京での販売量はニューヨーク市での販売量を上回った。
 さらに気がかりなことに、日本の通商当局は向こう10~15年間に日本の牛肉消費量は倍増すると予想している。牛肉文明の破壊的な効果は日本でも既に現れている。医学専門誌は、牛肉が日本人の食生活に浸透するにつれ、心臓病、脳卒中、ガンの罹患率(りかんりつ)が上昇していると報告している。日本国内の牛肉需要の増加は、地球の脆弱な生態系にも悪影響をおよぼす。そして日本人が食べるハンバーガーの一個一個が、熱帯雨林の減少、野生生物種の絶滅、そして世界の放牧地の破壊に結びついているのである。

 ごく最近まで日本人の食生活は、持続可能な人間生活と地球資源の保全にとって好適な、食物連鎖の低い段階に位置する伝統食を中心として組み立てられていた。卓越した脱工業大国として台頭しつつある日本が、世界の国々に食習慣のモデルまたは規範を示すことは、極めて重要な意味を持っている。牛肉文明を回避することによって、日本人は欧米その他の国の人々を、より公平な、より人道的な、そして環境的により責任ある食行動に向けて先導することが出来る。来世紀に向けて、食糧政策は全地球規模のもっとも重要な政治問題になるだろう。あらゆる国で、環境、農業生産、食糧消費、人間の健康、社会的正義のあいだの密接な関係に対する新たな意識が生まれはじめている。

 日本、特に若い世代の日本人消費者は、欧米牛肉消費文明の過ちを正す機会を持っている。牛肉文明に対してNOと言い、伝統的な日本食を選択し続けることにより、日本人消費者は自分自身の健康を守るだけでなく、環境の健康を守り、他の生物の生命を守り、そして全人類のあいだで地球の恵みをより公平に分配することに貢献できるのである。
 私は、本書に盛り込まれた情報が日本人消費者に、欧米型食習慣を即刻かつ永久に拒否することを決意させる助けになることを願ってやまない。』

 リフキンは情緒におぼれることなく408もの文献を網羅、精査して冷徹に、しかも断固たる決意を持ってこの書を書き上げたのである。私のような情緒過剰な人間にとってまさに他山の石である。また、この書の日本語版の背表紙の中では次のように書かれている。

 『現在、地球上には約13億頭(人間4人につき1頭)のウシがおり、地球の陸地面積の4分の1で草を食んでいる。人類の5人に1人が栄養不足に苦しむ世界で、ウシは穀物総生産の3分の1を消費している。ウシの放牧地と飼料穀物の栽培は、森林破壊、砂漠化、淡水資源への圧迫、地球温暖化などの大きな原因となっている。世界経済と地球環境にこれほど大きな影響を与えている存在はほかにない。かつて「豊饒の神」と崇められたウシが、富と権威を示す「財産」になり、食肉製造の「原材料」となり、ついには環境破壊の元凶となったのはなぜか?……』

 口蹄疫や鳥インフルエンザは、自然が人間の独りよがりな暴挙に対して突き付けた警鐘として素直に受け止めるところから始めることにしたいと考えている。

野村隆哉

野村隆哉(のむらたかや)氏
元京都大学木質科学研究所教官。退官後も木材の研究を続け、現在は(株)野村隆哉研究所所長。燻煙熱処理技術による木質系素材の寸法安定化を研究。また、“子どもに親父の情緒を伝える”という理念のもと、「木」本来の性質を生かしたおもちゃ作りをし、「オータン」ブランドを立ち上げる。木工クラフト作家としても高い評価を受けている。
オータンの「木の動物たち」 >>

- 野村隆哉先生より - 2011年3月発刊 Vol.43

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