体をみれば、心がわかる
「よう、おまえ、なんか今日しんどそうやなあ、顔つきが悪いでえ」「うん、家庭のことでいろいろあって、胃がシクシクするから病院へ行ったら神経性胃潰瘍って言われてしもた。もう泣きそうやわ」「そうかあ、大変やなあ。でもこんなときになんやけど、神経性やったら余計にそんな顔してたら、治らへんで」「そんなん言うても、痛いし、気分悪いし、イライラするし」「おまえの気持ちは分かるけど、その気持ちを変えんとどうしようもないんちゃうか」「うん、お医者さんも原因はストレスやって言うてたけど」「おもしろい調査結果があるんや。どんなときに体の調子が悪くなりましたか? の3位が離婚で5位が転職、どんなときに体の調子が良くなりましたか? の3位も離婚で5位も転職やねん。おもしろいやろ」「どういうこっちゃ?」「つまり、離婚・転職をストレスにして病気になる人もいれば、離婚・転職をきっかけにして元気になる人もいるってことや。これが『人間は心の動物』と言われるゆえんや」「心の動物とは?」「前にも言うたけど、人間は脳が進化して世の中が便利になったけど、その反面、環境的・精神的・肉体的にものすごいストレスにするようになってしもた。感情面の憎しみ・妬み・こだわりなんかもそうや」「なるほど、いろんな人間関係の中で生きてるねんもんなあ」
元気な人は、みんなニコニコ
「そしたら、そうしたらオレの胃潰瘍、治るんやろ?」
「おまえも言うてるように、いろんな人間関係の中で生きてるねんからストレスにするのも当たり前なんや。 そやから、良くなろうと思ったら、ストレスにせんときゃいいんやからものの考え方を変えることや。これをできる人は、たちまち元気になれるでえ、ホンマ。それと特効薬もある」
「教えて、教えて、その特効薬!」
「ええで、それは笑うことや。無理してでも笑うことや」
「ホンマかいなあ。そんなんで効くんかいな?」
「うん、よう効くでえ~、これは。笑うということは、人間だけが持っている自己治癒能力・免疫力なんや。今盛んに、笑いと免疫力の研究がされているそうや。例えば、漫才や落語を聞いたあとではストレスホルモンがかなり減るねんて」
「へえ~っ、そんなに笑いには効果があるんや。びっくりするなあ」
「そんで、笑うとリラックス脳波のアルファ波がいっぱい誘発されるから、とたんに免疫物質が増えて免疫力も治す力もグ~ンと上がるんやて」
「ちゃ~んと、神さんは人間に贈りものをくれてるねんなあ。それと、人間ってホンマにうまいことできてるんやなあ」
「うん、ホンマにうまいことできてるんやけど、それを上手に使ってる人は少ないなあ。成功と失敗・健康と病気の原因も案外ここにあるんとちゃうかな!」
「う~ん、意味深い話やなあ。でもこんな話してたら、なんか治るような気がしてきたわ」
「ほ~ら、もう治るでえ。いい顔つきになってきてるもん」
「ホンマや、知らん間にニコニコしてるわ」
「ここで言うとくけど、治ったから顔つきがいいんじゃなく、顔つきがいいから治るんや。治すのは医者じゃなく、自分の心ってことや」
心身のリラックスに寄り添う |
執筆 プレマ株式会社 企業様コンサルティングチーム 山口 勝弘 |