「問題」は自分がつくっている
「なんで、毎日毎日いろんな問題が次から次へと起こるんやろ」
「なんや、今日はいきなり、どうしたんや?」
「うん、息子は勝手なことばっかりして連絡よこさへんし、嫁はんは婦人会のサークルが忙しい言うて、食事の用意もおろそかやし、もうイライラして喧嘩ばっかりしてるわ」
「そうか、そんなにイライラか? でも悪いけど、オレはおまえが勝手に問題にしているように思うし、そんなことどこの家庭にもあることや。それと、もっと大事なこと忘れてへんか?」
「エーエ、そんなこと言われても分からへん」
「息子さんも奥さんも、楽しく活発にやってはるの?」
「そりゃー、自分の好きなことしてるんやから、楽しそうやで。そやから余計に腹が立つねんなあ~」
「その楽しく顔がん晴ばってることが、何より大事なことで、それが素晴らしいことやと思われへんか? それとおまえのひがみ根性にも見えるし。要するに、楽しくやることが健康や元気の元になるねんから、おまえも喜んであげられたら、こういう問題はすぐに解決すると思うけどなあ」
「出す」から「入って来る」
「それと、この件でもう一つ大事なことがあるんや」
「なんでしょうか? 大事なことは」
「うん、おまえの話を聴いてたら、『~してくれへん』ばっかりや。つまり、連絡よこさへんのやったら、おまえから連絡したらいいし、食事の用意をしてくれへんのやったら、おまえがつくったらいい。相手がしてくれる『入って来る』ことがかり考えてる、これは依存や」
「なんか難しいなあ、よう解れへん」
「う~ん、この世の中のことは何でも『出す』方が先ということや。呼吸は吐いて吸う。出入口は出てから入る、出来事は出したから来たこと、損得は損(出)したから得(入)る、健康もまず、毒を出すことが肝心や」
「うわ~っ、ほんまや、面白いなあ」
「みんあ『入る』ことを先に考えるから、いろんな問題が起きるんや。仏教でも『托鉢』ってあるやろ」
「あのお坊様が笠かぶって、お鉢をもって立ってはる、あれか?」
「そうそう、でもこの托鉢、何もお坊様は募金に来てはるのと違って、平たく言えば、『お金をもらいに来てやってる』そうや。そやからお金を入れても『ありがとう』とは言われへん」
「う~ん、もひとつ意味が解れへん」
「つまり、あなたはお金(誠意)を『出した』から、何倍にもなって返って『入って来ます』、良かったですねってお坊様は思っていて、これが究極の損得勘定で、これも『出す』から『入って来る』という教えや」
「そうか、『出して』ありがとうなんや」
「その通り、もらって頂いて、ありがとうなんや。愛されることばかり願ってるから、不平・不満が起きる。愛する(出す)から、愛される(入って来る)。問題の原因を相手に求めるんじゃなくて、原因は自分になるということや。そしたら、人のせいにしなくなるやろ」
「なるほど、なんかいいことに気づいた気がするわ」
「そうや、いつも言うてるように、素直になって考え方を変えるだけで今まで問題やったことが、問題にならんようになる。この『出す』から『入って来る』に気づくだけでも、今からの人生が全然変わってくるで」
冷えない暮らしを創り出す |
執筆 プレマ株式会社 企業様コンサルティングチーム 山口 勝弘 |