スゴイおばあちゃんに会った
スゴイおばあちゃんに会った「こんどは、めちゃユニークでスゴイおばあちゃんに会ったでえ」
「ほんまか、こんどはどんなおばあちゃんや？」
「Ｔさんいう人で、87歳。ある婦人協会の会長をしてはるんやけど、初めて会った食事会の時も、勘定を電卓使って自分で仕切らはるんや」
「へえ～、87歳で会長、そんでみずから仕切らんと気が済まんか。なんやおもしろそうやなあ」
「ビックリするのは記憶力。なんせ付き合いの多い人なんやけど、一人ひとりチャンと覚えてて、キチンと紹介してくれはるんや。それご、日本画・俳句・踊りもやってはって、定例会の案内のハガキも自分で刷って出しはる」
「ほんまかいな、スゴイなあ、そんでどんな感じ？ 興味あるわあ～」
「ポチャっとして、顔はキリッとしてはる。洋裁もしはるから自分の服は自分で作るし、なんせよう動きはるわ、いつも先頭立って歩いてはるもん。この前も転けて手を骨折しはってんけど、『転んで折ってしまいました。どんくさいけどすぐ治りますわ、へへへ』って感じや」
元気な人はものの考え方が違う
「へへへか、ふつう高齢者は骨折とかが原因で寝込むようになって、歩けんようになったり、ボケが始まったりするって聞くけどなあ」
「そうや、ふつう高齢になって転けて骨を折ったら、あ～あ、足が弱くなってしもたと老いをなげくもんや。そんで、気弱になって寝込むのうになって、後は谷底へまっしぐら」
「なるほど、人間、若い人でも一週間寝込んだら、歩けんようになるって言うもんな」
「ところが、このＴさんは根本的にものの考え方が違う。起こったことは反省はするけど、なげかへん。済んだことをクヨクヨしても仕方ないで終わり。自分でもニコニコしながら言うてはる。私、頭の中は40歳。そんで忙しゅうて、せっかちやからよう転けますん、この前は足をねんざしました。そんでも骨折して治ったら強くなるって言いますやん。へへへ。事実、ほんまに早よ治るねん、これが」
「また、へへへか。ほんま、宇宙人かスーパーばあちゃんやな。でもこのへへへで済ませてしまうところに、なんか大事なもんがある気がするわ」
「そうや、ええところに気がついたなあ。こういう人はだいたい、自分が変わってるなんて、ちっとも思ってないし、へへへで済ませて、もう次のことを考える気持ちの前向きさが、病気も早く治してしまうんや」
自分の未来は自分の体の内にある
「そうか、つまり、することしたいことがいっぱいあるから、済んだことをいちいちクヨクヨしてる暇もないんや」
「ある先生も言うてたけど、今の世の中はじっとしてても情報が入ってくるようになったから、自分から動かんようになってしもた。つまり、自分の外に依存してるんや。でも、このスーパーばあちゃんのような元気な人は、意識してるしてないは別として、自分の未来は自分の体の内にあると思ってるから、することしたいことがいつもいっぱいあるねん」
「そんで、いつもニコニコ・イキイキしてはるねんなあ」
「そうそう、そんで自分がニコニコ動いたことで、周りが楽しくなり喜んでくれるから、ますます自分も元気になる。これが究極の『幸せの方程式』なんです」
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夏の疲れを包み込む |
 執筆プレマ株式会社 企業様コンサルティングチーム 山口 勝弘 |
