目標通りに行動できないからと自分を責めることはない。
思考だけで変わろうとすることにそもそも無理があるのだ。
毎年、年始に目標を立てて、「今年は○○しよう」と意気込むのだが、つくづく習慣を変えるのは難しいと感じる。目標通りに行動できない度に、自分にがっかりするのだが、口癖のように「明日こそは……」という私に妻は「できないなら目標を立てなきゃいいのに」と笑う。
今年の目標のひとつは、毎朝4時半に起きることだ。頭がスッキリしている朝の時間にゆっくり読書したり、散歩をしたり、世話になった人に手紙を書いたり、書きかけの本を執筆したりして、丁寧に生きるために時間を使いたいのだ。でも、まだ一度も朝4時半には起きていない。
世の中が便利になればなるほど、時間のスピード感が増し、あっという間に時間が過ぎていく。一日を振り返っても、何をしていたのか思い出せないような日が増えた。人とのコミュニケーションも、メールやSNSで簡単に済ませてしまい、相手をしっかり見て話すことが少なくなった。挨拶もなしに用件だけを伝えてきたり、すぐに返答を求められたりして時間が奪われる。相手が見えないことで気遣いが希薄になっていないだろうか。目まぐるしく流れる時間のなかでも、大切なことは大切にしたい。
一度、習慣ができると、身体もそれに適応する。例えば、無理を続け、ストレスを受け続ける習慣は、身体に症状を起こしたり、それが慢性化したりする要因になる。行動を変えれば習慣が変わると思う人もいるかもしれない。しかし、身体が習慣に適応したまま、行動だけを変えようとしても、身体が抵抗してうまくいかない。それなら、まず身体を変えることから考えてみてはどうだろうか。
私が朝4時半に布団から出られない理由は家が寒過ぎるからなのだが、身体を変えることから発想すると、自然に目覚められるよう夜早く寝たり、体温を上げる食材を摂ったりすることができそうだ。身体を軸に物事を捉えなおすと、無理のないアイディアが出てくる。目標通りに行動できないからと自分を責めることもなさそうだ。思考だけで変わろうとすることにそもそも無理があるのだ。
妻曰く、目標を決めることは、猛スピードで目的地を目指す新幹線のようなものらしい。目標を決めずに「まずやってみる」という方法もある。間違えて普通電車に乗ったとしても車窓の景色から得られるものがありそうだと言う。いいことを言うじゃないか。毎朝4時半に鳴り響く目覚ましを解除してくれということだろうか。
むやみに電磁波を心配するのは
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