店舗で働いていると、食品の賞味期限のチェックは、日々気になることの一つです。私は賞味期限が切れていても、酸化していなければ気にせずに食べます。なぜなら、賞味期限は美味しく食べられる期限で、2、3か月過ぎていても、問題なく食べられるものもあるからです。しかし、今ではこんな寛大な私でも、過去に呆れることがありました。
当時70代後半の叔母の家に家族で行ったときのことです。「たくさんあるから持って帰って!」と、ポ〇リスエットを1、2ケースずつ貰って帰りました。ある日、冷蔵庫で冷やしてあったポ〇リスエットの缶を娘が開けて飲んだとき、「変な味がする!」と言うのです。コップに入れて見てみると驚きました。黄色い色をしていたのです。「どうして?」と思い、ふと賞味期限を見ると、当時15歳の娘が生まれた年の日づけが付いていました。それを見て身体が固まりました。何本缶を開けても黄色い液体が出てきました。15年以上も前から叔母の家に置かれていたと思うと、呆れるよりも物持ちのよさに敬意を表します。きっと、このほかにも同じようなものがたくさんあるのでしょうね。
あるとき、叔母が饅頭を出してくれたので、すぐに賞味期限チェックをすると、1年前の期限でした。「冷凍してたものを電子レンジでチンしたから大丈夫! おいしいお饅頭だから食べなさい」と叔母が言うので、目をつぶってゆっくりと口に入れ、噛んですぐお茶と一緒に飲み込みました。その後、お腹は痛くなりませんでしたが、これ以上なにも出ませんようにと祈りました。
そんな賞味期限がまったく気にならない叔母ですが、私が賞味期限を気にしない食品に味噌があります。伝統的な製法で作られた味噌は長期保存ができる食品です。何年も熟成した味噌は香りが豊かで深い味わいがあり、私は大好きです。もし冷蔵庫で賞味期限が切れた味噌を見つけても、賞味期限がいつまでというよりも五感で判断したほうがいいようです。
先日、オリーブオイルの講習会に出たのですが、「どれが良いものかを判断するのは、オイルの香りと味をみて、五感で感じないとだめよ!」と講師が話していました。自分の五感を信じるのは、なかなか難しいかもしれませんが訓練はできます。なにが本当でなにが嘘なのかわからない情報が溢れている世の中だからこそ、自分の五感を研ぎ澄ましておくと、いろいろと使えそうです。
プレマルシェ・オーガニクス店舗スタッフ
吉見知佐子(よしみ ちさこ)
店舗スタッフ5年目。好きな商品に囲まれ馴染のお客様も良く来ていただき居心地がいい場所で仕事をさせてもらっています。休日は神社仏閣やカフェ巡り、大好きな岩盤浴へ行ってリフレッシュしています。