昨年の夏までヨガ教室に通っていたが、今は通っていない。私が初めてヨガを体験したのは、看護学生時代の産科実習でのいわゆる「マタニティーヨガ」。妊婦さん向けのゆったりとしたものであったが、今までに味わったことのないリラックス感や爽快感が印象深く、いつかヨガ教室に通う! ヨガをやりたい!と、心に決め社会人生活を送っていた。しかし、社会人生活中は、すっかりサーフィンにハマってしまい、結局ヨガを始めることなく月日は経過した。
数年前に、家のすぐ近くに、時間が固定ではなく、土曜の朝、週毎に参加する時間を選択できるヨガ教室を見つけた。まだ幼かった子どもを育てながら通うには絶好の条件の教室だったので、思わず飛び込んだ。念願のヨガを始めて最初に感じたのは、ヨガによるリラックス感や柔軟性など身体的な効果ではなく、なにより先生の美しさだった。完璧な姿勢、引き締まった体幹、しなやかで女性らしい筋肉、肌のツヤ、雰囲気、表情、所作、話し方、気配り、ライフスタイル、すべてが美しく、いつも活き活きしていてまぶしかった。
当時、急に頭角を現してきた、肌のたるみやシワ、白髪といった加齢による外見的な変化に、ただただ抵抗することばかり考えていた私にとって、何歳も年上の先生の美しさは衝撃的であり、私も少しでも加齢に負けずがんばりたいと思えた。
しかし、回数を経て先生とヨガを知っていくほど、「美しさは、内面からにじみ出るもの。外見のことばかりにとらわれず、内面にこそ目を向け、内面をしっかり磨かないといけない」という大切なことに気づかされた。当時、物理的なことや、目先の自分の欲求ばかりを考えていたことも痛感させられた。
初めて体験した日から時を経て念願だったヨガを始めたことで、女性として人として憧れとなる存在の先生と出会い、自分自身の内面に目を向けるという大切な本質に気づけた経験は、私の生活にとって、転機となり今でも影響を与え続けている。
残念ながら、先生が引っ越ししてしまい、近所でレッスンを受けられる機会はなくなってしまったが、先生が私の心に残してくれた、「ヨガ」を私なりに続けていきたいと思っている。
そして、ヨガがそうであったように「いつかやってみたい」と感じたことに、挑戦していく自分でありたいと思っている。
プレマルシェ・オルタナティブ・ダイナー スタッフ
清本 和美(きよもと かずみ)
妊娠出産を機に、長年気になっていた『食』について意識するようになる。2018年プレマルシェの飲食スタッフ募集に思い切って応募、現在にいたる。前職は、看護師として大学病院で十数年勤務。一児の母。