「家電の低周波音が苦手」と言うけれど、
それって本当に「ややこしい人」なのだろうか?
最近、「脳疲労」という言葉をよく聞く。しかし、それがなにを表していて、どうやって調べるのかと疑問に思っていた。調べてみると、心拍と心拍の間のズレを計測し、特別な計算式を使い自律神経回復度(RMSSD)を算出する。脳と心臓は迷走神経(副交感神経)でつながっているので、脳疲労の状態だと、計測される自律神経回復度が低下するということらしい。健康な心拍はメトロノームのように一定ではなく、心拍のズレが大きいほど、アクセル役の交感神経が優位になっても、ブレーキ役の副交感神経がしっかり働く状態、つまりそれが脳疲労が少なく自律神経回復度が高いということだそうだ。
これは面白いと、手元にセンサーがないのに、思いついてから4日でリアルタイムに測定・解析するプログラムを開発。それからセンサーを買って測定を始めると、自律神経がいかに繊細に反応しているのかが見えてきた。例えば、扇風機のモーターの低周波音や、だれかが電話で話す声など、何気ない環境音によって、交感神経が優位になり自律神経回復度が落ちてしまう。これまで家電などの低周波音が苦手だと言うと、変人扱いされてきたが、ストレスの影響を繊細に感じていたことが実測できた。
私はボディワークで研究論文を発表している。次の論文でボディワークを受けた後の優位性を科学的に証明するのに、この仕組みが使えると思い、セッションに取り入れ始めた。
休んでも疲れが取れない人がいる。この状態で呼吸法や瞑想などの自力でのケアは逆効果になってしまうことがあった。実際に測定してみると、自律神経回復度が下がったままロックされていた。つまり呼吸法や瞑想をする体力すら残っていない状態ということだ。そこで、そっと身体に触れてみると、すぐに自律神経回復度のロックが外れて、数値が大きく振れ始めた。
ボディワークを始めて15年、父の死をきっかけに、人に触れたり、触れられたりすることで、人は活かされることを伝えたくて始めた。しかし、内容がシンプルすぎて伝わらないだけでなく、よく変人扱いされてきた。しかし、科学の力で「ただの変人」から「エビデンスを持つ変人」へと、いよいよ卒業できるかもしれない。
