美肌になりたいです。食べ物が身体に大きな影響を及ぼすことは知っていますが、肌のためにはなにを食べたらいいのでしょうか。(美魔女になりたい40代主婦)
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
科学的エビデンスに頼りすぎないで
最近、SNSなどでさまざまな美容法を目にする機会が増えています。ダイエット法をはじめ、美肌に効くとしておすすめの化粧品に加え、食べ物や飲み物も紹介されています。しかし、それらの美容法は特定の人に効果があったのかもしれませんが、誰もがその効果を得られるわけではありません。なぜなら私たちはそれぞれ顔かたちが違うように、体質も違うからです。
まず、肌がどういう役割をしているのかを考えてみましょう。皮膚は身体のいちばん表面にあり、外的刺激から身体を守っています。そして、皮膚には細かい穴があり、汗をかいて体温を調節しています。さらに皮膚の穴から身体の中の不要な物質を排出することで、身体を整えています。
また、東洋医学の陰陽五行の考え方では、皮膚は大腸と肺と密接な関わりがあるとされています。お腹の調子が悪いときに肌が荒れる経験をした方も多いでしょう。近年では研究が進み、腸内環境を整えると美肌につながることが科学的にわかってきたことで、いろんなところで「身体の中から美しく」といった表現を耳にするようになってきています。
ここでしっかり覚えておいていただきたいのが、食べたものが細胞をつくるということ。皮膚は細胞から構成され、新陳代謝によって新しい細胞と入れ替わっています。そのため、美肌を目指すならなにを食べるかは非常に重要です。最近では肌にいい栄養素が科学的にわかってきています。たとえば美肌にいいとされているビタミンも、それ単体では効果を得るのは難しく、ミネラルやたんぱく質などさまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大事です。主食とおかずをしっかり食べるのはもちろんですが、おすすめは主食を玄米にすることです。主食を玄米に変えた方の肌がきれいになっていくのを何度も目にしました。玄米にはビタミンやミネラル、食物繊維など栄養素が豊富に含まれ、腸内環境の改善にも役立ちます。ごま塩をかけて食べれば、ゴマリグナンという肌にいい栄養素も摂取できます。ハトムギを混ぜるのもおすすめです。
おかずとしては、ビタミンAやB、Cなどさまざまなビタミンをバランスよく摂るとよいです。わかりにくい場合、緑黄色野菜を摂ることを意識するとよいでしょう。みそ汁や納豆、漬物などの発酵食品や梅干しもとてもいいです。また、肌のハリを保つためにはコラーゲンが重要で、たんぱく質の摂取も欠かせません。しかし、動物性たんぱく質は脂質が含まれるため、あまりおすすめしません。豚や鶏、牛の脂質は、人間の身体に合わないことがあり、過剰に摂取すると肌に悪影響を及ぼす可能性があります。
科学的に肌にいいとされるものを食べたからといって変えたい部分の肌が変化するわけではありません。なにが自身の肌に合うのか模索して合うものを見つけてください。ストレスも肌に悪影響があるので、溜め込まないよう心がけることも大切です。食事を心から楽しんでストレスを解消できれば、結果的に美肌にもつながります。先述のとおり、肺は皮膚とつながっています。ぜひ深い呼吸を意識してみてはいかがでしょうか。