
岸江 治次 マクロビオティックアドバイザー お客様コンサルティングセクション マクロビ業界に30年以上の達人

矢田 香織
プレマスタッフ
マクロビオティック勉強中。一児の母
矢田 じゃがいもを油で揚げると発がん性物質ができるのを最近知りました。高温加熱にそういうデメリットがあるなら、やっぱりローフードがいいのかなと思って。自然のままでいただくという意味ではマクロビオティックにも通じるものがありますよね。
岸江 いいテーマですね~。最初、人類は木の実や草など全部生食でした。それから火を扱えるようになり、加熱すると吸収しやすくなったりおいしくなったりすることがわかって食べ物のバリエーションが広がりました。だから、加熱にはデメリットもあるけど、メリットもあるわけです。
矢田 ふむふむ。
岸江 マクロビオティックでは火を通して吸収をよくするというのが前提条件になっていて、「調理は消化の第一段階」といわれています。でも、野菜や果物は加熱して48度を超えると、ビタミンやミネラル、酵素などが壊れてしまいます。酵素は消化を助けてくれるので、生きた酵素を摂ることが健康につながるため、ローフードが広まっているんですよね。あと、これは動物性のものを減らして植物性のものを多く摂りましょうという考えでもあるんですよ。刺身はさておき肉も魚も火を通すでしょ? だから、火を通さないとなると自然に菜食中心になるという。
矢田 あっ、なるほど!
岸江 酵素は体内でも作られるけど、加齢などでだんだん減ってくるんですよ。それに肉を食べると消化吸収に酵素を大量に使うんですよね。そうすると代謝に回しきれなくなって不調になっちゃうから、菜食中心にするとともにローフードで酵素を多めに摂りましょう、という話なんです。
矢田 そういうことか~。そもそもなにがきっかけで広まったんでしょうか。
岸江 ナチュラル・ハイジーンという考えです。「ハイジーン」は衛生や健康状態という意味で、19世紀にアメリカの医師が、西洋医学に頼らず自然療法で健康をコントロールしようと果物や野菜を自然のまま食べるのを推奨したのが始まりですね。日本では、2006年ごろに松田麻美子さんが「フィット・フォー・ライフ」という本を日本に紹介したことで広まりました。でも、彼女も話しているけど、果物や野菜をそのまま食べると体を冷やしちゃうんですよね。
矢田 マクロビオティックの考えでも陰性ですもんね。
岸江 だから、ローフードの生活をするなら運動は必ずセット。温暖な地域ならまだいいけど、寒い地域なら特にね。
矢田 ローフードは全部生ですよね? 私は体質が陰性寄りなので、運動してもかなり冷えちゃいそう……。
岸江 酵素のことを考えると生がいいけど、「なるべく」くらいの心持ちで大丈夫。たとえば米なんかは炊いたらいいんですよ。加熱は悪ではなく、吸収や味もよくなるし、殺菌や種子毒の無毒化もしてくれます。それに「フィット・フォー・ライフ」のとおり、その人の生活や体質に合うようにするのがなにより大事。「おいしくいただく」というのも健康的な生活には大切だし、なにが吸収しやすいかだって人それぞれだからね。
矢田 たしかに。体質や環境によってローフードをどう取り入れるのがいいかも人それぞれということですね。運動も意識しつつ、冷えを感じるときは加熱したものを食べるなど、無理のない範囲で実践してみようと思います。