
岸江 治次 マクロビオティックアドバイザー お客様コンサルティングセクション マクロビ業界に30年以上の達人

矢田 香織
プレマスタッフ
マクロビオティック勉強中。一児の母
矢田 最近、甘いものがやめられないんですよ。疲れたときや、なんとなく気分が上がらないときに、つい手が伸びちゃって。
岸江 ああ、ストレス解消みたいな?
矢田 そういうことですね。自分を喜ばせようと思って。
岸江 だれでも一番好きなものを食べると幸福感がありますよね。それが甘いものであっても個人の好みなんでいいんですよ。ただし、なにを甘いと感じるかがポイント。それこそ野菜でも果物でも玄米でも甘みはあるけど、矢田さんが言う甘いものってどんなもの?
矢田 強いストレスを感じるときは洋菓子を選びがちですね。和菓子も好きですけど、フルーツを食べようとはならないです。
岸江 なるほど。洋菓子にしろ和菓子にしろ砂糖だね。マクロビオティックの考えに陰陽五行というのがあって、陰陽でいうと動物は陽性、植物は陰性。砂糖の原料であるさとうきびそのものは自然の植物なのでいいけど、お菓子によく使われる上白糖はさとうきびを精製して作られるので、極端な陰性なんです。陰陽の考えでは中庸(陰陽のバランスがとれている状態)が健康につながるので、動物は植物を食べて中庸を保つという生理機能があってね。極端に陽性に傾いていると極端な陰性のものを取ることでバランスを保とうとするんです。
矢田 え、そんなに極端に振る感じでバランスが取れるんでしょうか?
岸江 いや、極端すぎると取れない。だから体調が悪くなるんです。でも、陰性のものを求めてしまうのは、動物だったら仕方がないこと。女性は甘党の方が多いので甘いものに偏りがちだけど、男性だったらアルコールとかね。
矢田 あっ! たしかにお酒を飲むと甘いものを欲しないですね。でも、本質的に甘いものを求めてしまうとしたら、砂糖でも上白糖は避けるとかしたらいいんでしょうか?
岸江 うーん、たとえば黒砂糖なんかは精製されてないので上白糖よりはまし。甜菜糖とかもあるけど、やっぱり自然の甘みがいいよね。新鮮な野菜だったらそれ自体に甘みがあるから、料理するときも甘みを足さないでいいし。おやつよりも、食事は毎日のことだからね。
矢田 そうですね、砂糖って中毒性があるとも聞きますし。一度食べ始めると毎日欲しくなるけど、食べなくなったら全然食べなくても大丈夫みたいな。
岸江 うん、舌が甘みを覚えてしまうというのもあるし、砂糖に限らず陰性のものは身体をゆるめる性質があるから、リラックス感を感じられて中毒みたいになっちゃう。
矢田 私、お肉をそんなに食べないけど、陽性に傾いてるのかな……。
岸江 人それぞれ持って生まれた体質があるし、陰陽のバランスもそれぞれ。もしかしたら常に陰性に傾きがちだから、少し陽性に傾いただけでも極端な陰性を求めてしまうのかも? いずれにせよ、不調がなければ好きに食べたらいいけど、そうじゃなかったらできるだけ中庸を意識したほうがいいね。甘いものを食べたら舌は喜ぶけど、舌よりも全身の細胞を喜ばせることを考えてみたらどうかな。
矢田 細胞の声を聞くということですね! ときには甘いものに頼ってしまうかもしれないけど、できる限り中庸を保てるような食事を意識してみます。