
岸江 治次 マクロビオティックアドバイザー お客様コンサルティングセクション マクロビ業界に30年以上の達人

矢田 香織
プレマスタッフ
マクロビオティック勉強中。一児の母
矢田 最近、毛細血管の状態や血流をチェックしてもらってるんですが、毎回「そもそも血が少ないね。栄養が足りていない気がする」と言われてしまって。私としては栄養バランスを意識して食べているつもりなんですけど、なにが足りないんですかね?
岸江 血管の状態を知るのはいいことだけど、あくまで指標のひとつだから、むやみにそれだけを信じて不安にならなくても大丈夫。でも、血流や毛細血管の状態ってすごく大事。栄養は血液に変わって全身の細胞に送られるから、栄養不足になると末端の毛細血管まで栄養が行き届かなくなります。その結果、血流が滞っているように見えるわけだからね。でも、足りない栄養をピンポイントで摂ればいいかというとそうでもないよ。現代は、食べる量が足りていても栄養として吸収できない人が多いからね。
矢田 ハッ、もしかして私も……。
岸江 そういうこと。人間って、食べたものを全部吸収できるわけじゃない。だから、マクロビオティックの基本は、「なにを食べるか」ではなく、「食べたものをどう効率よく栄養に変えるか」だったりします。
矢田 なるほど。じゃあどうすれば?
岸江 基本は5大栄養素をバランスよく摂ることだけど、みんな体質が違うから、自分にどんな食べ物が合うのかを見極めることが大切かな。マクロビオティックの考えでは「身土不二」といって、自分が生きている場所の近くで採れるものが合うと言われます。日本だったら米。玄米だったら必要な栄養が全部摂れるのでいいですよね。あとは、玄米に限らず栄養としてしっかり吸収したければよく噛むこと。これに尽きるかな。噛むと健康にいいって、もう100年ぐらい前から世界中で知られているのに、実践できてない人が多いのはもったいないなと。
矢田 あ~、私できてない。
岸江 毛細血管の話に戻ると、毛細血管も筋肉と同じで運動しないと発達しないんですよ。噛むって一番簡単な運動で、特に脳の毛細血管に刺激を与えるので、健康長寿にもつながると言われていますよ。
矢田 いつも噛もうと意識してるんですけど、気づくと噛めてなくて。
岸江 それは慣れかなぁ。いきなり30回とか100回噛むのは無理なので、回数は目安で、口の中で食べ物がどろどろになるまでとか、口の中に食べ物を入れる量を減らすとか。多いとゆっくり噛んでいられないからね。あとは、味わって食べるようにするといいですね。
矢田 マクロビオティックで野菜の切り方も指導されますけど、あれって消化をよくするためですか?
岸江 それもあるけど、おいしそうに見せるためでもある。おいしそうと思うと唾液が出るよね。マクロビオティックでは、料理は消化の第一段階と考えていて、火を通して消化を助けるだけではなく、見た目でも唾液の分泌を促すんです。そして第二段階が咀嚼で、噛むことで唾液が押し出されます。唾液ってすごくて、消化酵素を含むのはもちろん、解毒効果もあるし、最近では唾液に含まれるパロチンというホルモンには美肌効果もあると言われてますね。
矢田 え! 噛みます! 足りない栄養を入れないとって思い込んでましたが、そうではないんですね。今日の話を意識して生活してみて、次の毛細血管のチェックに臨みます!