2月といえば節分。邪気を払って無病息災を願う日だ。邪気は目には見えない。目には見えないけれど、なにか悪さをする存在として、私たちは忌み嫌う。昔の人たちは節目に目に見えないモノに対して、祈りを捧げたり封じ込めたりする。その知恵が素晴らしいと思う。この世は目に見えないもののほうが多いし重要なのだろう。昔の人はそのことをよく理解していたのだと思う。
さて、私は今、おそらくインフルエンザにかかり、39度の発熱と頭痛、喉の痛み、鼻水に襲われている。さらに不幸なことに1歳の息子にもうつしてしまい、昨日から息子も40度の熱がある。昨晩は2人ともほとんど眠れず朝になってしまった。普段は滅多に体調を崩さない私だが、体調を崩すと「あぁ、邪気がいっぱいついてしまってたな……」と反省する。
思い返せば、年末年始の休み期間中に体重は2キロも増えてしまった。「そういえば、普段食べないものを食べていたなぁ……」「人混みのなかに出かけたしなぁ……」と反省することがいっぱいだ。
しかし、おそらくそれだけではない気がしている。実はこの原稿を書く前に別の原稿を仕上げていたのだが、その内容に私自身がダメージを受けてしまったのではないかと思っている。弊誌の編集をしている寺嶋から「感情的に強い言葉が続いているので少し変更しました」と連絡があり、そんな感情的に書いたかなぁと思っていた。その内容は出産前に義家族にされた出来事が未だに赦せずにいるという内容だった。書いた直後は、文章にすることで私の気持ちに整理がつけば良いなと思っていた。しかし、再度読み返えすと私のマイナスの感情が溢れ出ていて、とても人様に読んでもらえるものではなかった。その文章はまさに邪気の塊のようだった。「これは自分で読んでもクラクラする。なんでこんな文章書いたんだ、ダメだ書き直そう」と思って眠りにつき、朝起きたら発熱していた。
あんな邪気だらけの文章は公開してはいけない。その想いだけで、今こうして原稿を書いている。しかし、あの感情がずっとお腹のなかにあったのだと気付き、一度吐き出したことで少し気持ちが軽くなった気がする。「産前産後の恨みは深いぞ!」「きっとずっと赦せないと思うわ!」。どんな内容を書いたか気になる方は会ったときに聞いてみてください。今度は笑い話に変えてお話ししますね。
鬼はぁ外! 福はぁ内っ!
プレマルシェ・ジェラテリア中目黒駅前店 店長
小室 美穂(こむろ みほ)
京都生まれ、東京暮らし8年目。1歳男児の育児真っ最中。月に数回息子とともに中目黒店に出勤しています。見かけたら是非お声かけくださいね。