こんにちは。いつもご愛読頂きまして有り難う御座います。今回はもし今後、歯の治療を始めるならこんな心構えで臨んだら良いのでは、ということをお話ししたいと思います。
皆さんが歯科医院にかかる場合、通常は痛みや腫れ、しみるなど不具合があって訪れることがほとんどだと思います。急性的な症状がある場合は、まずはその場所から見てもらうべきでしょう。そして、少し時間に余裕ができたら詳しく全体的に見てもらうことをお勧めします。
ご自分のお口の中を上から下から、外側からと裏側から、くまなく見たことはありますか。客観的な目でご自分の歯、歯の並び、かみ合わせや粘膜の状態などを把握し納得して治療に臨むことはとても大切なことです。そこで可能ならば、全体的にお口の中の写真を撮ったり歯の型を取って石膏の模型にしたりして、お口の外からご自分の歯を360度見るところから始めると、今の現状がよくわかるのと同時に問題点や治療の必要な箇所、治療の方向性が明確になります。
患者さん自身がわかりやすいのはもちろんのこと、実は私たち治療を行う側からも新たな問題点が見つかったりその方の生活の癖などが解明できたり、目に見えるものと目に見えないものが明らかになる糸口ともなります。治療に入る前の準備は最も大切ですし、そこに充分に時間をとっていただける歯科医院にご相談するのが良いと思います。
先日NHKのテレビでも放送されていましたが、定期的に歯の周りの汚れを落とし、虫歯や歯周病にならないように予防する予防的医療が最近では徐々に多くなってきています。お口の中をいつも綺麗に保つことを心がけることは、必然的に口腔内の意識を高めることができるので、歯科医院にも抵抗なく罹ることができ、何かあっても治療を必要最小限で食い止めることが出来ます。しかしそれ以外にも、時代背景とともに私たちは姿勢や身体の使い方、生活環境、心の問題、老化や免疫力の低下、食事のアンバランス、他の病気などが原因で、色々なことが実は虫歯や歯周病を作ろうとするのです。学問の世界では虫歯や歯周病は細菌が原因だと説いていますが、私が考えるところ臨床で一番大切なのは実は「力」なのです。「力」とはかみあわせのことで、驚くことにかみ合わせは身体の使い方や心の変化でも変わるのです。当医院では歯を守るために身体の使い方を修正し身体の補正をかけることも予防的コントロールの一つと考えています。
天然の歯は削ると元には戻りませんし永久歯は抜いたらもう生えてはきませんから1歯1歯を大切にしなければなりません。
余談ですが先日、歯の根が破折してしまいどうしても歯を抜かなければいけなくなった患者さんがいらっしゃいました。その方は前もって歯を抜くための予約を取って来院され診察台に腰掛けてこのようにおっしゃいました。「今日は朝からこの抜かなければいけない歯に今までありがとうと何度も御礼を言ってきました。」と。抜かなければいけなくなったのは残念なことですがそのような思いでいたなら術後の経過や今後の展開も必ず良い結果になることでしょう。
田中 利尚
田中 利尚氏 歯科医師.整体師 日本抗加齢医学界専門医 国際統合医学界認定医 「咬合(かみあわせ)を制する者は歯科をも制す」という、歯科医学の見落とされている最も大切な力学的調和という根本理論に触れ、かみあわせを追求。しかし身体が変位していると良いかみ合わせを構築できないところに西洋医学の限界を感じ統合医療を目指し東洋医学(整体)を勉強。 顎が痛い、お口が開かない、首肩の凝り、腰痛、うつ病までを含む顎関節症の治療にも取り組んでいる。 「健康は歯から」を確信している。 |